早嶋です。
伝統的なマーケティングでは、ヒトが何かを購買する場合、明確な目的があるとされていました。しかし、これはしっくりきませんね。そう、近年のマーケティングでは、これは誤りだと認めています。脳科学の発達により、ヒトの8割は意識レベル以下、つまり感情で購入されていることが分かりました。合理的に商品の違いを判断して購入しているのではなく、感情の赴くままに購入しているのです。こっちの方がしっくりきますよね。
とは言っても、感情で判断するとしても、何か違いがあるはず。例えば、接するヒトや、お店の雰囲気、パッケージの程度など。何かしらの変数がきっとあるはず。これらに対して仮説を立てることがマーケティングでも重視されるようになります。細かな気配りを顧客目線で行う。特にリテールはムードが重要です。夏の暑い日は、汗だくで店舗に入ってきます。店員の体感で空調を合わせるのではなく、顧客の体感に室内を冷やします。ポイントは顧客の立場でして貰いたいことを徹底的に実現していくのです。
顧客が商品の検討段階から購買、購買後の使用の過程にいたるまだ、全てに接する部分をコンタクトポイントと言います。初めは無意識に商品に注目するかも知れません。しかし、その印象は脳裏の何処かに焼き付きます。例えば、ブランドの販促には力を入れている。だけど、その店舗ではバイトを使い、ちょっとした心遣いが欠けている。これはNGだと思います。店のイメージは、プロモーションのイメージのままだと顧客は考えます。どんなに素晴らしい商品で店構えで伝統があっても、それらを提供するスタッフの対応が不適切であると、急にテンションが下がります。
バイトが悪いと言っているわけではありません。コンタクトポイントの隅々までに気をつけなければ、全体の整合性は保てません。全体の整合性が保てなければ、統一したブランドイメージの構築は出来ず、結果、機能的な差異の勝負になります。顧客はそもそも素人。玄人がいくら機能の違いを訴求した所で、実際は感情で判断をします。従って、感情のモノサシで図られないブランドは結果的に価格の高低でのみ判断されるようになるのです。
こうなったとき、規模が大きい企業が勝つに決まっています。規模の経済を活用して1つあたりの商品単価をより安く作ることができるからです。価格で勝負をしたくない、出来ないのであれば、自社のマーケティングを再度見直しことが大切です。
食事に行っても料理を運んでくる人の料理への知識が豊富でこちらの質問に即答してくれると、
料理の値段といった合理性ではなく、店員姿勢に感銘を受け、合理性以外のところ(感情)で料理を選択してしまいます。私は。