早嶋です。
日本企業と比較して、欧米の企業は、内需、ブランド、新興国と言ったキーワードをビジネスに旨く取り入れて引き続き好調を維持しています。業績が悪化した場合も、環境の変化に素早く合わせ、大幅に事業構造自体を変革しています。一方、日本企業を見てみると、電気機器業界の落ち込みに見れるように、中核事業のコモディティ化、引き続き技術製品志向一辺倒、一から十まで自前で作るフルセット志向が頭から離れません。
全世界の景気低迷から企業の収益悪化が懸念されていますが、内需、ブランド、新興国をビジネスに取り入れた欧米企業は引き続き好調を維持しています。
例えば、内需の取り込みに力を入れた企業の事例です。生活必需品を提供する企業で、ホールフーズマーケット、ダラーツリーは前年比20から30%の成長を遂げています。金融ではUSバンコープ、ウェルズファーゴ、マスターカードは10から20%の成長です。
世界に通用するブランドを構築した企業の例です。ウォルトディズニー、スタバ、アップル、グーグル。こちらも10から20%の成長を遂げています。
新興国の消費をビジネスに取り入れた企業の事例です。一般消費財の提供企業であるキンバリークラークやコルゲートパルモリーブ。IBMなどは米国の企業でも新興国を重視して成長しています。
国内企業を業種別に見れば、電気機器業界の落ち込みが突出しています。パナソニック、シャープ、ソニーの3社が失った時価総額は2007年を基準にすると、2012年11月で約14兆円の規模です。3社の準損益の推移を見ても、2008年以降、大きく損失に触れています。
これらの業界を含めて日本企業は、中核事業のコモディティ化、引き続き技術製品志向、一から十までフルセット志向の3つを脱却することが課題です。
コモディティ化からの脱却です。該当する業界や産業としては、家電、電機メーカーが相当します。具体的にはPCや液晶、スマフォやカーナビ等です。同様の自体で旨く対応している欧米企業は、中核事業であったとしても同じような製品を作る競合が20社も30社もある場合は売却撤退をするか、事業構造自体を再構築しています。GEやIBMやフィリップスなどのケースはかなり参考になるでしょう。
技術製品志向からの脱却です。20年前のHBRの論文の中に、日本企業は研究開発や製造投資には力を入れているが、販売やマーケティングには力を入れていない。という下りがあります。これは20年経った今でも当てはまります。長年、技術や製品イノベーションが中心で市場や顧客を見る視点が不足していました。特にゲーム機や家電メーカーは、近年になってその影響を大きく受けています。これは会社の終焉を迎える可能性があるくらいの大きさです。欧米のハイテク企業、アップルやグーグル等を見習い、顧客の課題を解決する真のソリューション型のビジネスに転換する。プラットフォーム型のビジネスを構想に大きく変革することが求められます。
フルセット志向からの脱却。上記でも軽く触れましたが、未だに全ての事業が研究開発、製造、販売、アフターサービスとフルセットのワンストップ型のビジネスが主流です。家電、電機、半導体、大手携帯キャリアなどが相当します。しかし、世界規模で活躍している企業はポーターが示すVCのごく一部の機能に特化して後は外注するというビジネスモデルにシフトしています。台湾企業やホンハイ、TSMC等が事例です。自社の得意とする機能にフォーカスして足りない部分をアウトソースしないと、直ぐに模倣されて、フルセットでは利益が出ない世の中になっているのです。
これらに対して、IBMのバルミサーの氏の5つの問いは参考になります。
「創業者が退いて以降も企業を永続していくには何をすべきか?」ただ単に製品や技術やサービスだけを強化するのではなく、企業のミッションやビジョンを作り上げ組織に浸透冴えるリーダーシップが重要です。
「組織としてそう反する要素があったときどうすべきか?」例えば、景気が悪くなったからと言って、一律コスト削減をするのではなく、R&Dには投資を継続する、教育は継続的に続ける等、バランスを取るのではなくメリハリも重要です。
「コモディティー化にどうするか?」PC事業のように当時は中核のビジネスでも継続的に中核になり得ないと分った時にすぐさま撤退をする。ThinkPadの事例はまさにこれに当てはまり、メインフレーム事業の再生を図りました。
「企業の国籍がグローバル時代にどれほどの意味があるか?」各国各地域のニーズをつかみ、それに応じた価値の想像が必要です。さも無ければ成功は無いでしょう。市場にただ参入するだけでなく、そこに特化した創造が時として重要になるのです。
「リーダーとして長期的な視野をどのように貫けば良いのか?」株式投資も投棄という言葉が合うくらい短期思考になっています。こんあんときにリーダーは方向性を示し、時間の軸も長く取っていく必要があります。
まったく同感です。
私なりにおもいついたことをいくつか
パナソニック→家電、スマホと連動→これほ家電のコモディティー化
の差別化としているのか?理解に苦しむ
ソニー(PSP VITA)、任天堂(Wii U)→ソーシャルゲームにトレンドが移行しているのに、あいかわらずテレビゲームに注力している
ケータイのガラパゴス化という呼び名は自虐的にそう呼んでいるのか?
アップルは自社は設計のみ、製造はホンハイ(シャープの時価総額10倍)
IBM→パソコン屋ではなくなった
GE→電気屋さんではなくなった
以上、おもいつくまま書いてみました
事例、ありがとうございます。
10年スパン位で企業の中身が変わっている。大きな事業を維持するためには必要なことだと思います。