早嶋です。
2012年から見た2013年以降の世の中について。
先ずは大枠として先進国の低迷は引き続き世界に波及すると思います。新興国の成長も鈍化傾向になります。特に注目されていたBRICsの低成長が目立ちます。一方で、新興国の成長は一部のASEANが顕著になるでしょう。加えて今後はサハラ地域の成長が注目され始めます。
上記の背景は主要国や地域のGDP成長率です。World Economic Outlook Oct-2012 IMFの資料によれば、2011年の世界のGDP成長率は3.8%、2012年の見通しは3.3%です。
先進国/地域のくくりで見ると2011年のGDP成長率は先進国平均1.6%、G7平均1.4%、EU平均1.6%、NIEs平均4.0%、日本平均△0.8%、米国平均1.8%でした。こららを新興国/地域にフィーカスすると、途上国平均が6.2%、アジアの途上国にフォーカスすると7.8%、ASEAN5カ国平均で4.5%、中東・北アフリカで3.3%、中・南アフリカで5.1%、CIS平均で4.9%、中南米で4.5%、中/東欧で5.3%でした。この地域で2012年予測で伸びているところは、ASEAN-5で5.4%。これはタイで起きた洪水によるモノです。中東北アフリカで5.3%、こちらはアラブの春の反動でしょう。それ以外は全てダウンの傾向です。
BRICsのGDP成長率は中国9.2%、インド6.8%、ロシア4.3%、ブラジル2.7%で中国、インド、ロシアは世界平均と比較すると高い水準ですが、2012年見通しはいずれも減少です。
中国の低成長の要因は、欧米諸国の景気低迷による輸出減少、国内金融引き締めによる政治家、官僚の腐敗や贈賄が考えられます。インドでは、国内のインフレ対策として金融引き締めによりやはり個人の消費が低迷しています。また、欧州銀行の資金の引き上げと政治家の汚職や犯罪は中国と同様に、途上国に見られる低成長の原因となっています。ブラジルも政権内部の汚職事件が絶えず、金融政策で同様に国内のインフレ対策として金融引き締めを行っているため個人消費が低迷しています。そしてロシアは、欧州景気の低迷や需要低下に加えて、米国酒シエールガスによる天然ガス価格低下が影響しています。