ミドルマネジャーの弱体化

2012年11月8日 木曜日

早嶋です。

ここ数年、大企業のマネジャー職の方々に対して、考えるワークショップを度々実施させて頂いています。内容は、普段の自分の考え方を意識させる。それによって既存の考え方と新規の考え方の存在を確認して頂く。新しい考え方が自分の或いは、チームのビジョン達成に有効であれば受け入れる。というものです。考えるワークショップの大前提となるのがチームのビジョンです。1年先から数年先までにチームとして、個人として、どうしたいか?です。ただ、実際は半年の数字に終われ、先のことを考えるマネジャーが極めて少ないと感じます。試しに、半年後の数字達成の先に何がありますか?とか、その数字を達成するとどうなりますか?などの質問をしても、自分の考えを発言するマネジャーがはごく少数です。

日本の組織はミドルマネジャーの存在が非常に重要な役割を占めていました。しかし、最近はそうかな?と疑問をいだきます。ミドルマネジャーのビジョンが乏しいからです。確実にトップの言いなりになっているような印象を受けます。

確かに、半年先のことだけ考えて、日々の数字を達成することに没頭することで組織は回るでしょう。しかし、これだけ変化が激しく、かつ経済が低迷をしている時、そのような行動を続ける事自体が危ういかも知れません。大きな組織は中小の組織と異なり、なんとなくでも回っていく気がします。しかし経済は低迷しています。このままの仕組みでビジョンをまたずに進むことでジワジワと成績が落ちている。それを景気のせいにしている。

一方でトップを含め、ミドルマネジャーもビジョンをしっかり抱いて行動している組織は、いち早く方向を修正して、稼げるビジネスに10年単位くらいでシフトしています。昔から行なっているビジネスにこだわるのではなく、世の中の変化に応じて自分達が変化しています。

近年、多くの企業の成績に明暗がついています。全てがトップの責任ではないと思います。トップを支えていく実行部隊のミドルマネジャーの存在、その存在が弱体化しているのではないでしょうか。



コメント / トラックバック2件

  1. 椿事 より:

    ほんと、その通りですね。社会が激変しているから、ミドルのみならず、新入社員から行く末を考えざるを得ません。これまで考えずとも(惰性で?)やってこれた世代、年代には、ツラいかもしれませんね。

    以前、本田技研でエアバッグを開発した、小林三郎さんの話を伺いました。会社と会社員を、船と乗組員に例えていました。船長だけが危機意識を持つのでなく、誰もが危機意識を持たないと、沈没の兆候を見落としてしまう、というのです。なるほど、その通りと思いました。
    下記アドレスは、その記事のpdfです。ご参考まで。
    http://www.tse.or.jp/about/books/e-square/es31-tokusyu_interview.pdf

  2. biznavi より:

    ホンダ技研の参考、ありがとうございます。

    危機感から危機意識。感じるのではなく意識しなければいけない。今はそんな時代。そこに惰性で動いている組織の寿命は長くないことは間違い無いですね。

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