早嶋です。
2000年頃、企業のマーケティング担当スタッフとして仕事をしていた頃、国内事業部と海外事業部というくくりがありました。今、考えてみるとバクとしたククリです。当時、海外の売上比率が国内の売上を超えるころ。しかし、国内の営業パーソンと海外の営業パーソンの比率は何年も7:3。明らかに国内のビジネスが縮小していっているのに、意識はあっても行動がそのままという課題がありました。
1980年代のグローバル企業の多くは、世界を北米、西欧、そして日本と3つに分けていました。例え、4つ目があったとしても、あとは残りの世界です。しかし、今、その残りの世界がグローバル・ビジネスの中心になりつつあります。しかし、90年代、2000年頃にグローバルで活躍していた企業が、特に大きな成功を納めてきた企業の多くが、いまだに残りの世界、新しい新興市場のビジネスで苦戦しています。
その答えは多くの場合単純です。あまりにも過去の成功にとらわれているということです。その呪縛から抜け出すことが未だにできていない。結果、過去のルールでは正解だった、偏った考え方や意思決定に陥っているのです。しかし、いち早くこのマインドセットを行わないと、未来を切り開くことが難しくなるでしょう。
では何故?企業の幹部として成功を遂げると、次はその行動を繰り替えし実施してより高い成果を上げることは当然です。そして成功が続くことで、自分達の行動は紛れもなく正しいと信じていきます。このような革新は幹部のみならず、組織のマネジャーや組織そのものに浸透していくかも知れません。
過去のグローカリゼーションは絶対的な支配力を持ち、過去から成功してきた企業にとってはその正当性は確固たるものになります。しかし、その正当性が今後の新興国市場におけるビジネス障壁を自ら作り出しているのです。過去から未来を想像することは理にかなっていると思います。しかし、リバースイノベーションという基軸を考えてみれば、過去の延長に未来を観測できないケースが多々あります。そのため、過去に囚われ過ぎることが最大の組織の弊害、ビジネスの弊害になることが現在の企業の中で起きているのです。