定食の科学

2006年11月14日 火曜日

早嶋です。

定食。普段、何気なく食べていますが調理の効率を最大限に突き止めた結果、考え出されたメニューです。

定食の定義は、「一品料理に対して、あらかじめ献立の決まっている食事」です(三省堂提供「大辞林 第二版」)。メインとなるおかずに、ご飯、味噌汁などの汁物、小鉢が付くと定食となるでしょう。

定食は、何故、効率が良いのか?これは、提供するアイテムを絞ることによって、調理の効率が上がるからです。単品で注文するよりも、ある程度価格が安くなっているのはこの理由からです。

ビズ・ナビの近くには沢山の定食屋があります。これは、ビズ・ナビが位置する場所が、福岡の中でも割と中小企業が乱立するオフィス街だからです。数ある定食屋の中で、郡を抜いて効率が良く、回転率が良い店があります。私はこの店は、定食を極めたお店だと思っています。マーケティングの4Pに沿って、その定食屋を分析してみました。

Product(定食)は、「天ぷら」です。新鮮なイカ、かしわ(鳥)、キス、なす、ピーマン、そして玉ねぎの掻き揚げです。昼時のメニューとしては、この定食1品です。定食なので、ご飯と味噌汁と漬物が付きます。(希望を言えば天ぷらの単品追加が出来ます。)

Price(価格)は700円(内税)。Productが単品なのでワンプライスで会計の効率も非常に良いです。味、ボリューム、スピード、全てに文句ありません。

Place(流通)。店内にお客さんが入り、席に座った瞬間、揚げた天ぷらを置く専用の器とご飯と味噌汁と漬物がテーブルに置かれます。これが回転率を究極までに高めたポイントだと思います。通常の定食屋では、注文後、全てが出来てから、お客に提供されます。しかし、この定食屋は違います。まず、定食の脇役が並べられます。これによって、待ち時間が少なくなります。次に、天ぷらが揚がるたびに、逐次天ぷらが専用の器に盛られます。お客としては、常に揚げたてを食べられるし、お店としても、待ち時間を極限までに短縮できると言うわけです。

Promotion(プロモーション)。口コミでしょう。また、昼頃になれば、お店の前で人が並びます。非常に回転率が良いことから、待つ時間は短いです。この様子を見ているだけでも、なんだか並びたくなります。

定食。普段、何気なく食べていますが、食べている時にこの様なことを考える人は、どのくらいいるでしょうか?

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