異業種綜合格闘技

2012年4月19日 木曜日

成熟する業界は、その業界だけでは食べていけないため、1)海外に市場を求めるか?2)国内でも他の業界に市場を求めるか?3)同じ業界でも、これまで小さな資本がメインだった土壌まで食いつぶすか?などの動きが出てきます。

これは異業種格闘技のようなものです。この動き、例えばアナウンサー業界(報道)でも観察できます。例えば、ひと昔前は局アナだけでした。それが、少し前になると局アナと独立したアナウンサーの対立軸が明確になり始めます。近年は、局アナと独立したアナウンサーに加えてアイドルがその役割を勤めるようにもなって来ています。

少し前までは、品機のある局アナは独立することでギャラが増えるのに、仕事はこれまで通りとメリットは大きかったでしょう。紙面でも盛んに「○○アナ独立!」など買いていました。しかし、近年は独立するアナウンサーが減少しているように思えます。アナウンサー業界にも芸人やアイドルなどの異業種の人種が殴り込んできた結果、独立することで喰えなくなることを恐れているのが原因かもしれません。

アナウンサーといえども、激動の時代なのですね。

これは俳優業などにも当てはまるでしょう。2枚目俳優が3枚目の役をこなす必要性が出て来ました。芸人がドラマに進出してきている背景があるのでしょう。芸人の進出する領域はますます広がっています。本を出版し、映画を撮る。既存の枠を超えた活動が非常ではなく日常になってきているのです。

これは芸人の世界が競争が激しく、なかなか食べていくのが難しいことも背景にあるでしょう。

一方、既存の枠を超えた活動の中で、消費者に対して新しい価値を提供することを継続出来る組織は絶えず成長しています。これは結果的に貪欲な消費者をつくり出していると捉えることも出来ます。結果、ますます異業種の格闘技が激しくなる。今は、そのような世の中なのですね。



コメント / トラックバック2件

  1. 椿事 より:

    面白い分析ですね。なるほど、です。
    お笑いは、マーケットはそこそこ広いけど、プレーヤーが多いから競争が激しく、異業種へ行かざるを得ない。対して、イケメン俳優は、美貌という参入障壁で業界を守り、ぬるま湯状態が続いてきた。しかし昨今は、映画やドラマという自らが得意とする市場を、お笑いに侵されつつある。こんなストーリーでしょうか。
    でも、イケメン俳優も、その辺は自覚しており、多角化していますね。昔の日活ニューフェースみたいな、映画とドラマの主役だけでは存在できないですから。例えばSMAPは、歌やドラマ以外にも、バラエティでも何でもやっていますね。
    もう異種格闘技となると、基礎体力、基礎技術、才覚の勝負、ですね。

  2. biznavi より:

    まさに守破離!何事もベースが命ですね。

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