競争戦略あれこれ

2012年4月7日 土曜日

企業が競争する理由は互いの組織が長期的な利益を追求するため。互いの組織がカニバライズするような事業であれば、相互の競争は激化します。ここから考えるに、競争の本質は2つあります。違いを作ることと、一貫性を保つことです。

顧客にとって何らかの違いがあれば、顧客が志向する商品が選ばれるでしょう。選ばれるということは結果的に利益を得ることにつながります。一方、違いが無ければ顧客は価格が安いものを志向するでしょう。こう考えると、違いとは絶対的なものではなく、相対的なものであることが言えます。

そのために競争戦略の第一歩は、どこで競争しているかを知ることから始まります。そもそも競争相手がいない環境でビジネスを行っているのであれば、競争は生じません。企業と顧客が一対一の関係になるからです。このような関係が生じるニッチな市場では、競争はおこりません。

しかし、ニッチな市場が成長するとどうなるでしょうか?その市場に魅力を感じた他の組織が参入する可能性が高くなります。つまり競争が生じます。つまりニッチで生き残るためには、ストイックな活動で成長を望んではいけないことが分かります。

競争している環境を分析すると、そこでの戦い方が見えてきます。その市場が成長している市場か?成熟している市場か?前者であれば互いが切磋琢磨しながらも、市場の規模自体が大きくなるから、成長は後者よりも難しくないでしょう。

一方、後者の成熟している市場であれば、その市場での力関係が明確になってきます。首位の企業はより多くのシェアをとろうとします。市場規模自体は成長しないので、互いにシェアを取り合うことでしょう。多くのシェアを取るためには、100人いたら80人くらいにリーチしたいと考え、特別な違いを提供するよりは、比較的にある品質レベルで安価な価格で提供できる仕組みを作るでしょう。

一方で、首位の企業とは違い、100人いたら20人くらいにリーチして、より良いものを提供しようと考える企業も出てくるでしょう。何か差別性を持たせるので価格が前者よりも高くなります。

成熟した市場においては、上記の2つの戦略が残り、性能もいまひとつで価格も安くもない。このようなポジションをとってしまうとやがてはどちらかに吸収され淘汰されるでしょう。

自社の競争の仕方を考えるとき、自社だけではなく、自社と顧客の力関係、自社と協力会社の力関係、競合する企業と自社の立ち位置の違い、その市場に新たに参入する可能性、その市場を代替する商品の可能性を見てみることが大切です。いわば、競争をする環境によって、ある程度、自分たちの競争戦略の方向性が見えてくるのです。この点では、どこでビジネスをするのか?或は、どのような環境でビジネスをしているのか?は非常に重要な意思決定です。



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