早嶋です。
食玩(しょくがん)と呼ばれる小さなオマケつきのお菓子は、今でも人気のようです。最近は復刻モノまででてきています。今回は食玩とクロスセル(繰り返し購入)の効果について考えて見ました。
食玩として、お菓子とオマケという組合せは昔からありましが、火付けブームとなったのは卵型のチョコレートの中にオマケを入れたチョコエッグでしょう。
オマケとして中に入っていた玩具は動物のミニチュア模型で非常にリアルに再現されていました。その精巧さが、子供以上に大人が夢中になってコレクションをするという社会現象もありました。
玩具会社があえてお菓子として販売した理由は、お菓子のオマケとすることによってその販売場所をおもちゃ売り場以外にも、コンビニやスーパーに広げることが可能になることを計算していたからです。
また、このような食玩には、もう一つ工夫があります。中のオマケを買ってみないと分からないということです。夢中になれば、すべてのオマケを欲しくなるのが心情です。そのために、何度も繰り返して購入してもらうことができます。いい大人が、中のオマケ欲しさに箱ごと買う光景から、「大人買い」という言葉も生まれたほどです。
ところで、コレクターがすべてのオマケをそろえるために、いったい何回購入すると良いのでしょうか?ちょっと、その確率を考えてみました。
例えばオマケが全部で2種類だったとします。2種類とも集めるには、最低、何回買えば良いかをまず考えました。前提として、2種類のオマケは同じ割合で入っているとします。
まず、初めての購入によって、どちらかのオマケを必ず買うことができます。後は、残りの1個を手に入れればいい事になります。2回目の購入で違うオマケを当てる確立は、1/2になります。確実に購入するためには、その逆数を購入すればよいので2回購入すればいいことになります。つまり、3回購入すれば、2種類のオマケを集めることができます。ただし、これは確率で考えているので、あくまで平均的な個数となります。
では、5種類のオマケがあったら、平均的に何回購入すると全部のオマケを手に入れることができるでしょう。
2種類のオマケのときと同様に、すべて同じ割合でオマケが入っているとします。はじめの購入は、5つのうちのオマケのうち、必ずどれかを購入することになります。次の2種類目を購入する確率は4/5です。確率4/5のものを確実に購入するためには、その逆数を考えればよいので、5/4回=1.25回、購入すればよいことになります。同様に考えると、3種類目は5/3=1.67回。4種類目は5/2=2.5回。5種類目は5/1=5回となります。
つまり、
5/5 + 5/4 + 5/3 + 5/2 + 5/1 = 11.42回
平均して12回購入することで5種類のオマケを集めることができるのです。
このように、オマケ入りのお菓子には、その中身のオマケ欲しさに自然とクロスセリングを促す効果があるのです。この効果は、オマケの希少性とオマケの種類によって、その回数は上記のものよりもずっと増えることは容易に想像がつきますね。
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