早嶋です。
戦略の本質は違いを創ることです。戦略のゴールは長期的な利益の獲得です。そのために行う方法はWTPをあげるか、Cを下げるかです。そして、それを実現するためのコンセプトが大切です。コンセプトとは、顧客に提供する価値は何か?を表現することばです。戦略といっても、結局人間は言葉によって思考し言葉によって伝えるため、大切な作業です。コンセプトを明確にするために、本当のところは何を提供してるのかを分かりやすくします。
例えば、ベネッセコーポレーションのコンセプトははじめは、通信教育でしたが、徐々に添削指導、そして家族全体との双方向コミュニケーションと展開していきました。これは生徒とのコミュニケーションに加え、親と先生のコミュニケーションも価値の一つと捉えたのです。従って、しまじろうに加えて、お母さん向けの読み物を同封するといった商品に展開しています。
例えば、ブックオフ。中古書店から今ではリユースのインフラをコンセプトとしています。これは捨てることに悪意を持つ人、捨てない人のためにそのインフラを提供しているというのです。従って、何でも持ってきてください!捨てたくない人のインフラ、本から生活用品の全てに展開したのもストーリーとして自然です。従って、立地も持ってくる人がいる事を前提に近年は郊外で駐車場があることを前提とした店舗展開を行っています。
例えば、ほっとペッパー。これはクーポン付きの雑誌と思いがちですが、実際はかなり狭い地域、つまり狭域の情報提供がコンセプトです。消費に関する情報がいくらでも手に入る中、ホットペッパーがこだわったのは生活圏の小さなエリアに限定することでした。人のほとんどが半径2km圏内で消費の8割を行っている事実を考えると、狭域に絞り込んだ情報提供は顧客にとっても価値が高いのです。
コンセプトをしぼる段階でのポイントは、先に誰に?何を提供するのか?を考えることだと思います。これはマーケティング発想にも通じますね。多くの企業の戦略は先にどうやって?を考えますが、それよりも誰に、何を、なぜ?を先に考えることが大切だと思います。