雲のようにふわふわ、クラウドサービス

2011年8月4日 木曜日

早嶋です。

先日、セールスフォースドットコム(SFDC)の販促担当の方とお話をしました。SFDCは世界で1,600億円の売上で、その殆どがクラウドサービスのライセンスフィー。顧客の実に98%が持続的に使用を続けるビジネスモデルを構築しています。クラウドに初めから特化している会社だったこと、高い利益率によって、クラウドの特徴を使いながら常に投資を続けドンドン進化するシステム。ということで米国で最もイノベーティブな会社として位置づけられています。

彼にクラウドを一言で?と質問したところ、『インターネットのあっちの世界にあるコンピューター、雲のように捉えようの無いもの』と。実際、これまでのようにデータを自社で保持しない発想だからこそ、安全!というのがクラウドの最大の特徴だと思います。これまではそれぞれの会社で会社のデータをサーバーに置いて、自前で管理していた。しかし、企業はデータ管理がメインの仕事ではないから、その担当者を別途雇う必要がありました。それをSFDCのような企業にアウトソーズするという発想です。セキュリティーを自社でチマチマ行うよりも、その世界のプロに任せた方が安くかつ高いレベルで確保することができる。そんな発想の転換です。

クラウドという表現は、雲のように何処にあるか分からない、捉えようがない。従って、誰かが悪意を持って攻撃を仕掛けても、どうにもならないのです。場所が特定できないので攻撃もできない!というのが特徴でした。しかし、ここは盲点。多くのサーバーは米国に設置されていて、SFDCが日本での営業を開始したときに、サーバーが米国にあったら危ないなー。国内に置けばいいのに!という顧客の心理的な感情が障壁になっていたようです。そこで、今年度中にNTTコミュニケーションをパートナー企業として国内に設置する準備を進めているそうです。ネットの世界なのに、そのような地理的な成約がある。実に面白いですね。

因みにクラウドビジネスは今後、ますます需要が高まると思います。その社会的な背景は、よく言われるグローバル化、多様性、少子高齢化、原発などでしょう。クラウドによって、ネットの世界につながれば家庭でもカフェでも、企業で仕事をする環境が整います。クラウドサービスによって、場所の制限、時間の制限等がなくなるのです。

例えば、結婚、出産、夫の転勤で仕事を辞める必要がなくなります。地理的な制限がなくなれば、企業に出社する回数を激減させて転勤した先で仕事を継続することが可能です。先日知人が、2週間入院していました。彼は、その事を多くのクライアントに黙っていましたが、スマートフォンと携帯電話で会社にいるかのように仕事をしていました。

例えば、両親のうちどちらかに、急に介護が必要になり会社に通勤できなくなった。両親が住んでいる故郷に戻り介護をしなければならなくなった。これまで退職された方々も多いと思いますが、クラウドのサービスで介護をしながら地理的な制限を無視して仕事が出来るようになります。



コメントをどうぞ

CAPTCHA