世界はフラット?

2011年3月10日 木曜日

World is Flat、The Death of Distance等では、「新しい発想は国境を越え、より速く広がるようになる」ということで世界中にグローバリゼーションの波が押し寄せているように議論がなされています。

かつては、栄えた国、工業化が進んだ国、に情報が伝わりました。かつては、一部の官僚のみで情報が留まっていました。或いは、大企業だけ、資本力の大きな組織だけ。

しかし、コミュニケーションに革命が起き、大きな者と小さな者、富める者と貧しい者の格差が無くなるという概念です。そして、それらは技術や基準も距離を超え協調を可能にするとされています。

うーん。なんか飛躍している気もします。コミュニケーションの進歩は事実ですし、上記のような事は起こっています。現実にも感じます。しかし、だからと言って国境が無くなり、世界があたかも一つのようになるのでしょうか?もっと言えば、あたかも世界を一つの国のように考えて良いのでしょうか?

例えば、Googleは100以上の言語に対応していると聞きます。グローバルなサイトとしてもとても評価が高いです。日本ではGoogleとYahooが検索エンジンで手を組んでから9割を超えるシェアを獲得しています。欧米でもGoogleの比率は高まっています。

しかし、一方で中国や韓国では独自の検索エンジンが高いシェアを誇っています。ロシアにおいては、Googleは2割程度で、yandexというロシア独自の検索エンジンが7割近いシェアを握っています。

Googleがロシアで苦戦している理由は、言語の複雑さがあります。また、競合は現地の状況に柔軟に対応しています。ロシアでは、カード決済やオンライン決済の仕組みが未整備であり、その点を従来の銀行支払いを活用した支払いシステムの開発などでyandex等は補っているからです。

これに対してGoogleもロシアに現地のオフィスを開設して対抗しています。やはり、現実の世界が重要であることを物語っています。

ボーダレスという言葉は事実ですが、国によってやはり違う者は違う。例えば、文化や制度、そして経済などの枠組みで明らかに差異が生じています。国をまたいでビジネスを展開する場合は、世界がフラットな部分と、全く国によって異なる部分を正しく認識して展開することが大切だと言うことです。

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