目標設定に思う

2011年1月7日 金曜日

2011年の目標設定は終わりましたか?

多くの経営者とお話をすると、現状の仕事に追われていて将来のことなど考える暇がない、というお話を伺います。まったくその通りだと思います。しかし、将来の種は今まかないと刈り取る事はまず不可能です。これもまったくその通りでしょう。現状の仕事を解決しなければ将来はない。しかし、将来の仕事を今取りかからないと将来の伸びはない。パラドックスです。

しかし、伸びている企業や景気の良い会社の経営者は両方を行います。

私は、企業が伸びる瞬間は、人間が伸びる瞬間と同じでフィードバックすることが大切だと感じます。フィードバックが有効な瞬間は事前に目標や向かうべき指針がある時です。そのために、時間を確保して目標を設定します。これは直近の目標だけではなく、やや遠い未来の目標も併せて行います。目標という言葉を書くと構えてしまうかも知れないので、やや遠い未来の自分の夢や願望でもよいと思います。遠くの目標を初めに考えて、その目標をブレークダウンしてやや近い将来の目標を設定するのです。

目標を設定したら現状の自分や自分の企業の現状と比較します。足りない部分、ギャップが見出されます。後は、このギャップを埋めるための行動を考えて実行に移せば、設定した目標を達成する確率が0から1に近づきます。その目標の達成は、遠くの目標のマイルストーンになっているので、結果的にこのサイクルを繰り返すことで、やや遠くの目標達成の確率も1に近づくはずです。

フィードバックが効果を生むのは、上記の作業を行っているときです。目標があれば、実際に行動を行った後に、一定時間経過して、目標通りに達成したかどうかを確認することができます。

ポイントは、予定表の中に目標設定を行う日とフィードバックを行う日を同じ日に設定して、その行動を繰り返すことです。このタイミングを元旦に行っても、決算の時に行っても良いでしょう。また、その頻度を年に一度から年に二度に増やしても良いでしょう。大切なことは、この行動を継続することです。

もう一つポイントは、設定した目標や夢やビジョン、その時に考えたことを必ず書きとめておくことです。理由は簡単。一は忘れるからです。忘れてしまっては、フィードバックした時に、何を基準に考えるとよいかすらも分からなくなります。また、どのような形であれ、考えを形式化しておけば、再び考える始めるとき、最後に考えた内容をベースに深化させることができます。しかし、毎回忘れていたら、その考えは深堀されず、いつも同じところまで行って終了でしょう。

初めは何となくモヤモヤした感じでしょう。それで良いと思います。そのモヤモヤした目標を紙にでも書いて、それは具体的にどのようなことだろうか?と考え、少しづつ目標を明らかにすると良いのです。

モヤモヤの目標をモヤぐらいにする。初めはこの程度でも良いでしょう。私が目標設定をする時に意識する視点があります。良くSMARTでまとめられた視点です。明確か?つまり、モヤモヤした内容が徐々に何か自分が何をすると良いのかが見えるような目標になっているかです。もし、立てた目標を見て、そのために何をしなければならないのか、?イメージがつきにくければ、もう少し明らかにしてみよう!と言う事で深く考えるのです。

次に、測定することができるか?です。立てた目標に近づいたか?遠ざかっているか?それが分かれば問題ないです。

そして、最も重要な視点。ワクワクするか?です。立てた目標がワクワクしなければ、多分途中で行動を止めてしまうでしょう。また、ワクワクしなければ達成しよう!という努力も続かないでしょう。時々、目標を立てましたが、これで良いですか?と尋ねられることがあります。その時は、その目標を達成した自分はワクワクしますか?と質問します。

残りの2つは現実的か?そして時間の設定があるか?です。明確、測定、ワクワク、時間を考えていけば自然に現実的なモノに近づいていくでしょう。

時間を設定する理由は、いつか達成したい!は絶対達成することがありません。いつかする!は絶対取り組みません。ですので締めきりを決めて、お尻に火をつけるのです。

目標を大きく2つに分けると結果とプロセスがあります。結果に対して目標を設定する場合。例えば、資格を取る、100点を取る、優勝する、などです。このような目標設定をすると、目標を達成するまでは急激にドライブがかかりますが、一度達成してしまうと燃え尽き症候群になり、二度とそのことを行わない、という本末転倒の結果になる場合があります。

プロセスは、やっている行為を楽しめるような目標設定です。もっと周りから喜ばれる、みんなから尊敬される、人から感謝される、などです。プロセスに対しての目標設定は、長続きします。しかし一方で、急激なドライブはかかりにくいでしょう。

そこで、達成することがむずかしそうな長期的な目標をまずは見つけるのです。これは企業にとってはミッションに相当するかもしれません。世の中の社会貢献として人から喜ばれ、感謝される企業になる。などです。このミッションは、一代の経営者で達成されることなく、二代、三代と会社が継続していってもなかなか達成することが難しいでしょう。つまり、長続きします。

一方で、急激なドライブがかからないので、そのミッションを達成するための通過的な目標が必要です。これがビジョンに相当するかもしれません。日本のリーディングカンパニーになる、などです。

さぁ、いまからちょっと長期的な自分や会社の夢を見て、それから今年1年間の目標を設定してみませんか?

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