タリーズのコーヒー豆販売

2010年12月31日 金曜日

景気が後退することで、内食、中食の需要が伸びています。ここに着目した販売促進を行っているコーヒー屋さんがあります。タリーズです。

タリーズコーヒージャパンは約1年ほど前よりコーヒー豆の拡販に力をいれています。そのための作戦は2つ。店頭販売とコーヒースクールです。

今から美味しいコーヒーの入れ方を実現しますよ!と声を上げながら、寅さんさながらに店員が実演販売を行います。この風景に遠くにいるお客さんも何?何?と集まってきます。

これは同社がハッピービーンズデーと銘打って毎月第2と最終金曜日と土曜微に全店で実施する販売促進活動です。店員がワゴンの脇に立ち、コーヒーを入れる実演を行いながらコーヒー豆の販売を行うのです。

ハッピービーンズデーを全国展開する前は、一部の店舗で実験的に行っていました。その店舗ではコーヒー豆の売上が極度によかったことから本格的に全社で展開する準備を行います。初めは本社のスタッフが店舗で実施しながら販売するためのノウハウを考え共有します。それからそのノウハウを直営店のマネージャーを中心に勉強会を開いて共有します。更に店舗販売マニュアルまで作成して、コーヒー豆の陳列方法からトークまで、事細かに紹介していきます。

一つの取り組みを標準化して全国に展開するときの取り組み事例として非常に参考になります。ポイントは、本社のスタッフ部門が自ら販売して、そのノウハウを提供したところでしょうか?通常は、本社のスタッフは頭の中で指示を行い、現場でのノウハウを吸い上げますが、今回は全く反対でした。このような取り組みもきっと現場側からの指示を受けやすくなったのではないでしょうか?

もうひとつのコーヒースクール事業もユニークです。当初は、自身を持って選別した豆とコーヒーについて顧客にもっと知ってもらうことが目的だったようです。しかし、実際に開催するとスクールの参加者のコーヒー豆の購買と他のグッツの購買につながることを発見しました。

現在では、コーヒーの入れ方講座、コーヒー豆の選び方講座、エスプレッソマシンの使い方講座などがあるようですが、もっと学びたい!という消費者の声があり、コースを増やしていく動きもあるようです。

タリーズでコーヒー教室を開催できる社員は社内資格でコーヒーアドバイザーを持っているひとのみだそうです。社内資格であっても合格率は30%と難関の資格。こちらの資格を取得したい社員も増え、タリーズにとってはプラスの循環が生まれています。

タリーズが取り扱う豆の種類は10種類前後。季節によって変動する商品が5~6割あり、価格は200gで1000円前後。量販店においている豆と比較するとやや高めの商品です。コーヒー豆の売上や他の物販が売り上げることでクロスセリングにつながるため、客足が増加しないでも売上増を狙う、基本的な戦略ですが、それを実直に実行しているのが素晴らしいですね。

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