サトウのご飯と言えば、電子レンジでチンするご飯を想像するでしょう。業界で首位、かつ目的ブレンドに浸透している商品です。しかし、この地位が2位のテーブルマーク(旧加ト吉)に揺るがされつつあります。
追い上げるテーブルマークの秘訣は、データマーケティングに裏付けされたパッケージング。従来、サトウをはじめとする各社は商品の容量を200gにしていました。この200gに意味があるのか?と言えば、企業側の都合、と言うのが正直なところ。育ち盛りの男子高校生は300g以上のお米を食べ、年配になると量が減る。そこで、全世代、性別に食べてもらうためにと、大量生産の都合上200gにしたのです。
レンジでチンするご飯はその簡便さが受けて、数年前までは2ケタ成長を続けていました。しかし、ここ数年の留まりはメーカーの都合の限界が来たのでしょう。
そこでテーブルマークが出した解決策は、150gと250gのサイズを展開したこと。このサイズには理由があります。レンジでチンするご飯の主なターゲット層は50~60代。この層は200gだと多くて余ってしまい、でももったいないという意識があったのです。そこで従来の業界の常識である200gを見直したのです。みごと!
では250gは?こちらは中高年夫婦2人の過程にフォーカスしています。夫が150g、妻が100g。これまでの200gでは、二人では少ないし、2つでは多すぎる。
ターゲットを明確にして、その層がどの程度の量を1回の食事に食べるのかをリサーチ。その結果を用いて、マーケティングミックスの商品のパッケージを再構築したのです。
早嶋聡史
分量の見直し、なるほど、ですね。
ところで、スタジオアリス、行ってきました。繁忙期だったので、かなり待ちました。待つ間、ほかの家族が服を選んでいたり、撮影されたりしているのを、見られるようになっています。スタジオは個室でなく、大広間に3つありました。レンタル服や待合室も同じフロアです。もちろん着替室は、壁があります。
カメラマン(女性)もテキパキ働いています。いわば、シェフの技を見せるオープンキッチンのようで、その辺も演出の一つかな、と思いました。
待ち時間をエンターテーメントに変える発想ですね。
百貨店はエレベーターの待ち時間のイライラ解消のために鏡をおきました。多くの人は、鏡を前にするとスタイルを見て、髪を正して、服装を正して、としているうちに時間が過ぎます。
スタジオアリスも、繁忙期をフラットにする作戦と同時に、どうしても待行列が生じてしまうところの対策を講じているのですね。