本音と建前(使用理論と信奉理論)

2010年8月23日 月曜日

How customers thinkの中で著者のZaltman(以下、ザルトマン)はマーケターの間違いや失敗の原因として信奉理論と使用理論を使って説明しています。

信奉理論とは、「これが正しい」と思っているだけで実行に結びつかない理論で、いわゆる建前です。使用理論とは実際に使用している理論で、行動を説明するための理論、いわゆる本音です。

信奉理論と使用理論は一致することもありますが、多くの場合一致しません。むしろ多くのマーケターが信じているのは使用理論です。これは建前はあるものの、本音を信じているということです。

状況としては、何か課題に直面した場合、自身の信奉理論と使用理論に乖離が生じます。そして無意識に使用理論を採用する傾向が強いのです。

ザルトマンの説明では、多くのマーケターが「こうではないか、と自らが既に考えていることに確認を施すために市場調査を行うことを経営資源の浪費とします。」これはマーケターの信奉理論、つまり建前です。

しかし実際は、市場調査の8割は新たな可能性を試すことや発展する目的よりも、主として既にある結論を強化するために使用されていると言います。そして多くのマーケターも実際は既存の考えを主張するために既に利用してる現存資源の8割を無駄にしなくてよい!という考えに基づいて行動します。まさに本音であり、使用理論に基づく行動です。

早嶋聡史



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