上司のコーチング 14

2010年8月6日 金曜日

前回まで、
“行きやすい所にばかり行っている”という問題を解決するために「営業マネジメント」
のありかたを変える,具体的には「訪問計画を長い視点で考える」事をとりあげました。

そして管理先の顧客数,ABCのランクに分けた顧客軒数,一カ月に訪問できる回数を計算し
て,年間の訪問計画を立てるところまで進みました。ここで大事なことは,“80%以上の売
り上げや利益を頂く約20%の重要な顧客に,80%以上の時間を充てる”ことでしたね。

一般に営業パーソンはお客様を万遍なく訪問したがる,特に「好きな顧客,気が合う顧客,
気楽な顧客」に時間をかけたがるものです。お分かりのことでしょうが,これは意味がな
いばかりか有害です,マネジャーは何が何でもこれは阻止しなくてはなりません。

そのためにはアクション・コントロール(行動管理)が有効で,唯一効果的な管理方法だ
と思います。具体的に言うと,「事前管理」を行う事で,勝手な行動は許さないことです。
勿論,全員がそうではありません,正規分布の問題です。自分で考えて,効果的な訪問計
画を立てられる営業パーソンもいます,しかしそれは“100人に一人か二人”が実感です。

顧客ランク別に毎月の訪問回数を決めましたね,管理するというのは,“4回行くと決めた
顧客へは確実に4回訪問する”を確実に実行させることです。実際の指導の場面では,例
えば毎月の会議でなら,年間で計画したとおりに訪問計画を立てているか,計画の通りに
目的を明確にして訪問を計画しているかです。

「他にも大事な顧客があって,予定通りには訪問できません」などと言わせないでくださ
い。繰り返し言いますが,大事な顧客とは大きな売上計画を立てている顧客のことです,
担当者が行きたいところではないのです。

毎週のコーチングなら,その週に予定した顧客がもれなく訪問されるようになっているか
を問題にします。週間計画で大事なことは“訪問目的に照らして本来会うべき人にアポイ
ントをとっているか“です。「会うつもりでしたがアポが取れませんでした」とか,「訪問
したけど会いできませんでした」などと言わせないことです。

次回はこのやり取りを実際の会話に置き換えてお届けします。



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