早嶋です。
本日は、日本経営品質賞に関してのセミナーに参加しました。その中で、講師を務める、日本総合研究所の高梨さんが紹介した、『SPDLIサイクル』について紹介します。
SPDLIサイクルは、PDCAサイクルを今の世の中にあわせたものです。QCサークルやISO90001が定着し、PDCAサークルは企業に定着したものとなりました。しかし、近年の企業環境は変化のスピードが早く、PDCAサイクルが万全なモノとはなっていないというのが高梨さんの主張です。PDCAサイクルの前提は、トップが戦略を決定してから、その戦略を現場に落として実行するトップダウンの形式になり、計画を計画通りに要求するサイクルです。
変化が激しく、高いレベルで顧客満足が求められる時代、計画していない事態に遭遇します。更に、それを確認することが出来ないままアクションを起こすものになる可能性があります。つまり、PDCAサイクルだけで経営管理を行うことは、今の時代、難しくなるのです。
そこで、PDCAの欠点を補うためにSPDLIサイクルを提唱しています。SPDLIサイクルは、それぞれ次の頭をとったものです。
Strategy:戦略
Plan:計画
Do:実行
Learning:学習
Innovation:改革
経営コンサルタントの大前さんは、変化に対応できない状況をゆで蛙に例えています。かえるは、熱湯に入れば反射的に直ぐに飛び出しますが、冷たい水を徐々に温めていけば、気づかずに熱湯に浸かってゆであがります。
企業がPDCAサイクルの中で計画通りに行うだけでは、環境変化に対応できない事もあるでしょう。上述のゆで蛙にならないためには、PDCAサイクルのPDの部分にSPDLIを加えて、ループを二重にすることが有効です。
SPDLIサイクルは、目的を計画通りに実行していく仕組みとしては、PDCAと同じです。決定的な違いは。企業の目的を確実に実行するために、現在のプランの枠を超えた構造的な変革を含むS:戦略フェーズがはじめにある事です。P:計画自体が戦略に基づいているため、変更は可能になります。さらに、対象とするプロセス全体を管理する際に、事前に設定した内容をチェックするだけではなく、L:学習するフェーズが加わっています。これによって、例外事項の予測や、戦略の変更や中止と言った処置も可能となるのです。
SPDLIサイクルを回すことによって、A:アクション(改善)だけにとどまらず、I:変革までも組み込んだサイクルとなるため、環境が激変する中でも大きな飛躍が出来る可能性があるのです。SPDLIサイクルは、PDCAサイクルを含んだ長期的な成功を支える二重ループの概念となるようです。
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