製造メーカーの悩み

2010年6月24日 木曜日

国内の製造メーカーの多くは、1)技術力が高い、2)マーケティング力が弱い、3)コストが高い、という悩みを掲げます。

多くのメーカーが技術・品質が自社の強みで商品は絶対に自社が一番という自負がある一方、顧客のニーズが見えないので売上が伸びないという声を聞きます。

日本の経営はオペレーショナル・エクセレンス、つまりとにかく頑張る!という方針をこれまで取って来たと思います。何か問題が起きたら、その問題をその都度解決してとにかく前進するのです。

市場が拡大して、経済が伸びている状況は良かったかもしれませんが、現在のように市場が成熟してモノが溢れている世の中ではこれまでのやり方は通用しないでしょう。

もちろんこれらの状況を打破するのが顧客の声を聞く事、つまり課題に挙げているマーケティングの強化になるのですが、一体どのくらいの企業が本腰を入れているのか少々疑問に感じます。まだ、企業のゴールをイメージせずに、現状の課題をとにかくひたむきに潰している経営が多く目立つからです。

技術はあるけどマーケティング力がね。という発言は、メーカーに勤めていた頃から何も変わりません。もう10年もたつと言うのに。

一方で、コストの削減はかなり力を入れています。それでもコストが高い!と言うのはとても苦しい状況でしょう。これは全てを自前で行う事に限界があることや、全てを人件費が高い国内で行う事に限界があるのかもしれません。

製造業の多くは、コストを1円1銭でも下げる努力をするために機械化の導入を高度に進めてきました。結果、仕組みとして製造ができる体制が出来ています。製造の現場は製造技術などは別として仕事の内容に対して支払われる給料が高いのかもしれません。

勿論最低保証の考え方は正ですが、こと世界が競争相手では、現在の人件費はやはり固定費を圧迫する要因の一つである事は間違いないでしょう。かといって全てを外に委託するという大胆な考えもなかなかとれずにジレンマしている状況が観察できます。

結局、改善しなければならないポイントは明確なのに、実施できていない。このままではグローバル化が当たり前になった今、本当に日本の企業は大丈夫なのかな?と時々思うところです。

早嶋聡史



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