iPadの発売開始を皮切りに電子書籍への期待が高まっています。シドニーに向かう飛行機の中でもキンドルを使って読書をしている人たちを度々見かけました。
iPadの利用に関して調査した報告によると、「ネット利用」が35%、「電子書籍」が29%でした。キンドルやiPadに続き、今年は様々な電子書籍のツールが発売されています、まさに電子書籍元年ですね。
さて、そんな中、日経MJに電子書籍の価格に関するアンケート調査が乗っていました。結論は、電子書籍を購入する場合の値ごろ感は、通常の書籍の価格4割安が値ごろ感のようです。つまり、モルタルの世界で1500円で販売される書籍だったら900円程度が妥当!と考えているのです。著者にとっては一瞬値下げ!と思うかもしれませんが、ダウンロードされる環境を考えると、単価は下がるけれども、読者の需要は急激に増える!と楽観しても良いかもしれませんね。
電子書籍と言えば、日経BPアソシエでお世話になった編集担当者も今年は電子書籍事業部へ移動となり、本格的なビジネスに向けて準備を進めています。
インプレスR&Dの調査によれば電子書籍の市場規模は2008年で464億円。当初は漫画が中心に普及していき、徐々に雑誌、文芸書の配信が進み、最終的に書籍やビジネス書も普及すると言ったシナリオを各社想定しているようです。
電子書籍の普及は一般の小さな書店にとっては打撃が大きいと思います。普及のきっかけが漫画であればなおさらです。東京都内600の書店が構成する東京都書店商業組合の報告によれば、昨年度の1年間で全体の約1割に当たる50店舗程度が休廃業したそうです。
電子書籍という世の中の変化に対応する企業とできない企業。その変化に気付かない企業。今後の生き残りと繁栄。一つの変化に両極端の道がはじまります。
早嶋聡史