上司のコーチング その6

2010年5月29日 土曜日

今回は目標を立てるときに,他にどんな点に注意するといいかを考えてみましょう。まずは,達成したかどうかを判断できることです,そのために必要なことは可能な限り数値化することです。

私が企業で評価者であった時のことです。目標達成度評価の時期になると決まって問題が起きました。その問題は,「達成しました」と部下は言い,「未達成だ」と上司が言うのです。理由は簡単なことです,達成基準が曖昧であったということでした。

たとえば,売り上げなどの数値目標の他に“新規の顧客を開拓する”という定量目標を掲げたとします。その場合には“新規顧客からの契約をxx件獲得する”,或いは“新規顧客からの売上高をxx円獲得する”など数値化することが必要です。そして,その目標の達成が,売り上げや利益の目標を達成することにつながるという合意があることが前提です。

たとえば“お客様の満足度を向上させる”という定性目標があったとします,これも問題を引き起こします,数値化されていないために達成したかどうかを確認できないからです。これを目標にするには“顧客満足度を何で測るか”を決めることです。たとえば“「顧客の離反率」をxx%下げる”,或いは“「顧客シェア」をxx%上げる”などです。

“仕事の質を上げる”という定性目標でも同じです,“質の向上”を何で測るかを決めておくことです。たとえば“納品のリードタイムをxx%短縮する”,或いは“見積もり提出から成約までの確率をxx%向上させる”などです。それらの達成が,売り上げや利益などの上位の目標達成につながるものであると上司と部下が合意できていなくてはなりません。

今日は目標を設定するときに気をつけること,出来る限り数値化するなどの工夫をすることで,“何をもって達成したというか”を決めることです,ぜひやってみてください。



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