上司のコーチング その1

2010年5月8日 土曜日

私がコーチングを初めて約10年になります、特にフォーカスしてきたのが“上司として部下をコーチする”場面です、自分の管理職としての経験も重ね合わせながら考えてきましたが、今回からその点に焦点を当てて書いてみます。

企業の管理職にとってのコーチングは、二つの側面があると思います。一つは“管理”のあり方であり、もう一つは“指導・育成”のやり方と考えられます。このどちらが欠けても十分とは言えません、両方の機能を備えて初めて役に立つものになると思います。

なぜなら、企業の管理職である以上、短期的な成果に責任を負うことは言うまでもありませんし、同時に長期にわたる継続的な成果を出せる状態を作ることにも責任を負っているからです。この両方を実現したとき、“良い上司”であり、“良いコーチ”と言えるのです。

「管理」の目的は、“目標達成の確率をあげること”で、条件は部下が“やるべきことは何か”を理解していることです。そのためには、コーチする管理者のビジネススキル、特に通過目標の設定能力とビジネスのフレームワークの知識が欠かせません。

なぜなら、上司は部下が答えを求めた時には「自分の考え」を明確に言うことができなければなりません。時間が切迫しているとき、重大な案件のとき、さまざまな場面で上司としての「答え」が必要なときがあり、自信を持って命令しなくてはならないからです。

また質問して部下に考えさせるとしても、部下が効率的・効果的に答えに辿り着くような質問をすることが大切です。部下が“何について考えて答えを出すべきか”を上司が分かっていることです、つまり考えるべき点が何であるかを漏れなく指摘できることです。

企業内では「良いコーチ」=「良い上司」、それは部下に成果を約束できる上司なのです。



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