早嶋です。
昨日に続いてゲームに関する話です。
ゲームのルールが変わるときが、儲けるチャンスだ。このように発言したのは、投機化として有名なジョージ・ソロスです。ゲームを行ううえで、ゲームのルールを変えるということは、反則技のように思えますが、実際の世の中では大いにあることです。
62年10月、旧ソ連はキューバに核ミサイルを持ち込みます。これをアメリカが知ったとき、世界は核戦争の危機に直面しました。いわゆるキューバ危機です。
旧ソ連とアメリカでは、お互いの態度を強気に出るか弱気に出るかで悲惨な結果を招く自体にありました。昨日の囚人のジレンマと同じように考えてみます。
1)両国とも強気な態度をとった時、100の損害を被ることになる(-100)。
(最悪の事態ですね)
2)両国とも弱気な態度をとった時、損害は一切ない(0)。
3)片方が強気で、片方が弱気な態度をとった時、強気な態度をとった方は、1の損害を与え(+1)、弱気な態度をとった方は、1の損害を被る(-1)。
このゲームでは弱気では0か、-1なので負けです。かといって強気同士では破滅的な結果になります。このとき、ケネディが取った対応が『ゲームのルールを変える』でした。上記のゲームも、囚人のジレンマも、双方が同時に選択するために複雑なジレンマが生じていました。そこで、ケネディは先手を打って、強気の姿勢を先に示したのです。(ゲームの世界では、同時ゲームから交互ゲームにルールが変わった。)
これによって旧ソ連は、弱気の態度で-1の被害をとるか、強気の態度で-100をとるかのどちらかを選択する羽目になります。当然、弱気を選択した結果になりました。
このルールの変更、囚人のジレンマでも使うことができます。それは、両方の囚人が基本的に黙秘を続けるというルールです。もし、囚人同士でつかまる前に、『お前が自白すると、俺も自白して報復する』というようなことを約束しておけば、両者は黙秘を続け、結果的に懲役1年という一番いい結果でゲームを終了することができるのです。
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