日本企業が海外に展開する場合、ブランディングという点において後先を考えていない場合が多いようです。というか昔のままのスタイルで海外でも展開している、といった方がピンとくるでしょうか。
ローカルブランドを構築して、グローバルブランドを考えていない事例が多いです。国別のブランディングを構築し、グローバル全体で行わないのです。
例えば、2008年に松下電器産業が社名をパナソニックに統一しました。この背景は、国ごとにブランドが違う事による不具合や混乱を抑える目的でした。アメリカではパナソニック、日本ではナショナルというブランドで販売をしてきて、ヨーロッパでも当初はナショナルの名前で販売していました。しかし、次第にナショナルとパナソニックが混乱してきたため、パナソニックに統一して社名も変更した背景があります。
リコーも世界でブランドを統一する10年前はゲステットナーなどの名前でヨーロッパや南アフリカで売っていました。日本企業の場合、多くが現地企業に販売権を渡して、結果的に日本人が全く知らない、その国だけでした通用しない現地ブランドが製品につけられていたのです。
グローバルでビジネスを展開する場合は、全域で通用するブランドを構築した方が良いでしょう。ブランドをローカルではなく、初めからグローバルブランドを意識するのです。
早嶋聡史