書籍出版を考えられている方へ、情報共有できればと思います。今回は第二弾です。因みに、総合法令出版より3/24に「稼ぐ営業管理者のための教科書」で出版予定です。
今後、書籍化を検討されている方、書籍化までの流れに興味をお持ちの方、これまでの取り組みと、今後の予定を共有させて頂きます。今回、初めての作業でしたので、ど素人の視点からリアルタイムな事象を共有出来ればと思います。
■ゲラから発売までの流れ
ゲラが出来てから、本屋さんに並ぶまで、およそ2カ月前後を見るのが一般的だそうです。今回も2カ月間のインターバルがありました。以下、おおよそのスケジュールです。
00日:原稿からゲラを作ってもらい、渡される。
10日:約1週間から10日間の日数をもらい、初校に赤を入れ、修正・追記・削除等を行う
※出版社さんによってはもっと短時間で要求されます。
15日:初校の修正を出版社に渡すと3日から5日程度で再校を渡してくれます。再校は、初校の赤を反映したものです。
20日:再校を確認して再び、出版社に提出します。
※出版社さんによって、再校が続く場合もありますが、基本は初校⇒再校で印刷状態に持っていくそうです。
30日:印刷用の原稿の締め切り。業界ではMO入稿といいます。この日までの修正は書籍に反映出来ますが、この日以降は反映できません。出版社から印刷業者に原稿が渡るためです。
※今回は、再校の確認から印刷屋さんに渡してもらのに約1週間から10日間の余裕があります。
45日:約2週間すると本が完成します。業界では見本といいます。
55日:本の物流業者に本を納品します。業界では配本日といいます。
都内であれば、配本日の翌日から書店に、九州だと2日から3日経過した頃に本屋さんに並びます。アマゾンの予約は本の完成、見本が出来る前後から可能だそうです。
■初校
晴れて出版が決まれば、提出した原稿を基に編集長がゲラを作成してくれます。ゲラは、実際に出版する本の体裁と同じ様式での原稿です。例えば、ワードで原稿を渡した場合、文字数が詰まっていますが、ゲラの段階では、出版される本と同じイメージです。縦書きか横書きで、本を読んでいてもイメージが異なる等があるため、ゲラに赤を入れて修正する作業が始まります。
昔は、初校にそのまま赤ペンを入れて修正する作業が主流だったようですが、最近はゲラの原稿をワードでもらい、そこに修正・追記・加筆を行う事も可能です。出版社によっては、あえて電子データで下さい!と頼まないと紙ベースの作業を強いられるところもあるそうです。編集長談。
初校の段階では、かなりの加筆・修正・削除が可能です。思いっきり削る、内容を追加する等、編集長は柔軟に対応してくれます。今回は、提案書を出してから出版が決まるまでに半年程度の時間がたっていたので、原稿に稚拙さを感じたり、新たな事例を加えたい!と思い作業をしているところです。
きっと毎日毎日完成版を追い求めるので、どこかで区切りが必要になるのでしょう。
■再校
2回目の修正・加筆・削除のチャンスです。著者と編集者の関係によって、どの程度まで赤を入れる事ができるかが変わってきます。じっくり見直していいですよ!という編集長もいれば、せかせて確認程度で終わる編集長もいるようです。心配な方はゲラの段階でスケジュールを確認しておくことをお勧めします。
編集長によっては、再校を更に繰り返す場合もあります。今回は、初校と再校の2回のやり取りで印刷屋さんに渡すデータを作成したいと考えています。
■参考文献の考え方
ボンドでは、必ず参考文献や参照を記入していました。論文だからです。書籍の場合、どの程度、参考文献を載せるのかを伺いました。当たり前ですが、回答がクリアでした。まず、書籍は商品であって論文では無い。従っ
て、商品である書籍のターゲットに応じて、載せるべき参考文献の量や程度が決まる、と。軽い感じの本、ノウハウ本の場合、参考文献が多いと、これまでの焼き回し的な発想だな、と読者に思われる事があります。
従って、載せる場合は大御所のバイブル程度(例えば、マーケティングだったらコトラーのマーケティング・マネジメント、ファイナンスだったらリチャード・ブリーリーのコーポレート・ファイナンス?)を載せると良いという発想もあります。SWOT分析やアンゾフの成長マトリクスなど、ビジネスの間ではかなり一般的になっているモノは省略してもかまわないという発想もあります。これは編集長によっても異なるかも知れませんね。勿論、教科書的な書籍であれば、ルールに従った記述と参考文献をまとめた方が良いでしょう。
ポイントは、ターゲットを常に意識して、本の内容、デザイン、文体、参考文献、などを考えるという事です。極めて当たり前ですが、いい気づきでした。
■帯書き
初めての出版だから、例えば帯書きに著名な方の写真とコメントがあればと思いました。しかし、この帯書きは、本の内容を読者に伝えるための最も効果的な宣伝のひとつでもあります。つまり、とても貴重なプロモー
ションの枠でツールという発想です。その場合、著名な人にお願いするのか(勿論、お願い出来るネットワークが必要)、凝縮したメッセージを自力で書くのか?の選択と意思決定が必要です。凝縮したメッセージを書く場合、例えば、本の内容を分かりやすく効果的に伝えるメッセージを考えると良いようです。ターゲット読者に一目で内容をイメージしてもらい、すかさず買ってもらえるコピーです。
本が売れるかの肝と言っても過言では無いようです。ここには時間をかけても良いところです。初めからイメージしていなければ、帯書きもないがしろにするとこでしたが、とても重要です。また、名刺かわりに配る事が究極の目的であれば、是非、帯書きに自分の写真を載せましょう。これは、受け取った方からすると強烈なインパクトを与えるツールになるからです。編集長談。
次回は、再校の段階でまた、編集長とのやり取りがあるので、気付きを共有させて頂きます。