早嶋です。
本日は、書籍紹介を。まず、その前に。
○遠くに住んでいる人と、今度の週末の件でメールのやり取りをしてプランを立てる。
○会社の設立記念企画を世界同時に進行するために、世界中のマーケターとTV会議で企画をつめる。
○アメリカの連邦政府の会計業務をインド人会計士チームがインドで行っている。
○中小クラスの病院で、患者のCTスキャンを行い、その結果をインドやオーストラリアにいる専門の医師が診断する。
○コールセンターに問い合わせをして、何気なく話しをしている先が、何千kmもはなれた海外のオペレーターとつながっていた。
○ドライブスルーで注文したハンバーの注文処理は、その店の人ではなく、これまた離れた所にいるスタッフが行っている。
○小学校から返ってきた少女がおもむろにパソコンを開いて、インドのオンライン家庭教師に学校の勉強を見てもらっている。
○イラクを飛行する無人機の操縦は、ラスベガスに近いネリス空軍基地にいるオペレーターが遠隔操縦している。
上に書いた話は、何気なく普段の日常生活で行われていることです。コロンブスが航海に乗り出した1492年、航海後、コロンブスはスペイン王国と女王に世界が丸いことを報告しています。現在はどうでしょう。物理的に世界は丸い、ですが、世界は平らになっていませんか?このことを今起こっている経済活動を通して説明している本が、「フラット化する世界(上・下)、トーマス・フリードマン著」です。
フリードマンは、コロンブスの航海時代の1492年から1800年頃をグローバリゼーションの幕開けとして、グローバリゼーション1.0と呼びました。この時期の特徴は世界をLサイズからMサイズに縮めたことです。国家と腕力の時代でした。
次の時代区分は、大恐慌から2000年にかけて。この時代もまた、世界のサイズをMサイズからSサイズに縮めています。グローバリゼーション2.0です。この時代は、多国籍企業の時代でした。
そして、2000年前後に全く新しい世界に突入します。グローバリゼーション3.0です。グローバリゼーション3.0は世界のサイズをSサイズから更に小さいものにして、それと同時に世界をフラット(平ら)にしたのです。
フリードマンは、この時代を、「個人がグローバルに力を合わせ、またグローバル競争を繰り広げている。また、個人や小集団が簡単にむらなくグローバル化を可能にしたのは、フラットな世界のプラットフォームだ」と説明します。これらのプラットフォームとは、パソコンや光ファイバー、ワークフロー・ソフトウェアなどの発達系です。
グローバリゼーション3.0は、世界のサイズを小さくし、世界をフラット化し、個人に力を与えています。さらに、グローバリゼーション2.0、1.0との違いは、欧米の個人やビジネスが中心であったのに対して、多種多様な非欧米、非白人である個人の集団によって動かされるようになったことがあります。
この著は、先日紹介したダニエル・ピンクのハイ・コンセプト同様、アメリカのビジネス書で200万部を超える売上を記録したベストセラーです。そんなアメリカの話なんか・・・と思っていると、隣の中国やインドからの攻撃によって日本経済も知らぬうちに取り込まれている、ということもあるかも知れません。世界の動きを知る上でも非常に参考になる一冊です。
—ただ今、ブログマーケティング実験中。—
実験の詳細は、『ブログマーケティング実験』『ブログマーケティング結果報告』をご覧ください。
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