早嶋です。
本日の日経の記事に、次のような記事がありました。外国人労働者受け入れを検討する副大臣の作業チームが21日、経営学修士(MBA)取得者やソフト開発に従事する専門技術者の受け入れ拡大を促す、というものです。
これらの提言によれば、外国人であっても、MBAホルダーやソフト開発の技術者は日本に滞在しやすくなるそうです。ただし、単純労働者の受け入れは国内の雇用への影響を考慮して認めない立場を示しています。
ここに、2つの疑問を持ちました。
①政府は、今後の流れを掴んでいるのか?
②国内雇用の影響と、労働者不足の影響はどちらが多いか考えているのか?
①に関してですが、以前紹介した、ハイコンセプトなどの論文にあるように、今後、必要になるのは、創造性があり、反復性がないこと、そしてイノベーティブに考えることが出来ることや、クリエイティブと言ったことです。つまり、コンセプトの時代がやってきているのです。
旧来的な考え方では、主役とされる職業は、左脳主義思考の職業、例えば、医者、経営者、エンジニア、弁護士、会計士でしたが、コンピューターの発達によって、これらの仕事ですら置き換えが可能になっています。それが理由に、海外では、MBAよりも、MFA(Master of Fine Art、つまり美術学修士)のほうが重きを置かれるようになる、とまで言われています。
この流れの中、あえて海外の労働者、MBAホルダーとソフト開発者に限定した受け入れ拡大ということ事態が世の中の流れを掴んでない発想と言えます。
②にかんしてですが、海外からの単純労働者の受け入れを国内雇用への影響として、認めないとしていることです。では、日本の国内の労働力に関してどうでしょうか。2007年問題と、少子化の問題によって、今後の労働力が不足していることは明らかです。労働人口不足、で記したように、現在の経済規模を今後も維持していくためには、毎年53万人の労働人口を増加していく必要があるのです。そうすると、特定の海外からの労働者を受け入れるということでは全くの解決にはなりません。
単純労働者の受け入れの拒絶理由には、国内雇用の保護というものの他に、単純労働者が危険、という考えも強く残っています。しかし、これはコントロールできる問題です。例えば、単純労働者を含めて、海外からの労働者を受け入れるためには、国として規定を設けるのです。日本語が話せないや、日本の義務教育レベルの教育水準に無い外国人労働者は、日本語が話せて、日本の教育水準レベルになるように国として教育するのです。
少子高齢化に伴い、教師は余っています。このような方々が、海外からの労働者の教育を行えば、合わせて雇用の確保もできます。そして、このような教育を修了して、一定の規定を満たせば、国として彼らを正式に認めるのです。そうすることによって、危険性を根本から正すことが出来ます。よくないのは、今の法制度です。海外からの労働者受け入れを実質認めていないために、海外から来る労働者は、学生ビザやその他の目的でビザを取得し、日本にやってきます。このような外国人の中で、不正に長く滞在している外国人の管理が全く出来ていないのが現状です。外国人労働者が危険だというイメージは、そもそも、彼らの管理をあいまいなままにしている政府の責任でもあるのです。
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