早嶋です。
国の予想では、出生率と死亡率の逆転を07年としていましたが、現実は05年にこの逆転が起こりました。人口減に関する問題は国が扱うべき種類の問題ですが、現在の所、解決の見込みはありませんね。人口減によって生じるネガティブな影響として考えられるのは、①労働人口の減少、②消費の停滞、などが考えれれます。もちろん、人口減によって新たに生まれるビジネスも沢山ありますが、今回は、①の労働人口に焦点を当ててみます。
労働人口を考える前に、人口を増やす方法を分解して考えて見ます。大きく、以下の3つが考えられます。
①子供の数を増加させる(出生率の引き上げ)
②寿命を延ばす
③国外からの移民を受け入れる
①、②に関しては、既に取り組まれていますが、人口減少を押さえる対策としては不十分です。となると、③国外からの移民という解決方法が浮かんでくることが分かります。
労働人口とは、15歳以上で働く意思を持っている層と定義されます。こちらの推移を調べてみました。労働人口は、98年の約6,800万人をピークに減少傾向をたどっていることが分かります。05年時点で約6650万人ですので、回帰分析すると毎年20万人程度の労働人口が減少しているということになります。これは、世界中の何処よりも早い衰退を迎えていると言えるでしょう。このような急激な減少は他の国の事例にないからです。となると、労働人口不足ということは非常に深刻な問題なのです。
では、実際にどのくらいの労働人口が不足するのか?大前さんの試算によれば、現在の経済規模を維持したとして、25年後に実に1325万人もの労働人口が不足するようです。25年後には、労働人口の自然減を加味して約1000万人が不足します。更に、高齢者人口の増加に伴い、新たに325万人が介護従事者として必要になるからです。
こうなると、現在の労働人口不足に対策を打つとして、今年から計算しても、毎年53万人程度の労働人口を増やしていかなければ、対応できないことが分かります。では、移民なしで毎年53万人もの労働人口を確保できるか?①子供の数を急激に増加する方法がもし成功したとしても、15年先にやっと増加が見込めるので、①は現実的ではありません。②寿命を延ばしたところで、現在の労働人口が増えるとはいえません。むしろ上述したように、介護という新しい需要が発生する要因にないます。となると、現実的に考える対応策として、③国外からの移民を受け入れる、以外の解決策は見えてこないのです。
こうなると、移民を大々的に受け入れた経験の無い日本にとっては、相当まじめに考えないといけないのです。移民=危険、と言った印象が日本の国民の中にはあるからです。そのマインドをリセットするためにも対策は必要ですし、どのようにしたら実現できるのかをまじめに考えなければ、更に深刻な状況が訪れること、間違いないでしょう。
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