小城羊羹

2006年6月9日 金曜日

早嶋です。

本日は佐賀県に出張してました。出張先で少しばかり時間があったので、小城(おぎ)の羊羹屋さん、村岡総本舗を訪ねました。

小城の町は、佐賀の小京都と呼ばれるくらいで、歴史と文化の香りが漂っています。そして、特に目を引くのが羊羹屋さんです。車で移動していると、羊羹の看板を掲げた店が多いこと。本日訪ねた村岡総本舗は、その中でも有名なお店だったようです。小城には昔から「小城羊羹」というのがあったのを知っていましたが、このれは村岡総本舗の商標登録だったのです。

今でこそ、お菓子の名前に地名を付けたものは多いですが、当時ではかなり先進的な商標登録だったようです。創業者である村岡安吉さんは、自転車で羊羹を売っていました。しかし、自転車での販売は限界があることを感じ、販路拡大を鉄道に結び付けたのです。安吉さんが羊羹を売り始めた頃、小城の羊羹は、櫻羊羹、煉羊羹と称して売られていました。安吉さんは、自分が売っている羊羹を、それらの羊羹と区別する方法を考えたのです。ここに小城羊羹が生まれ、今では小城の羊羹全体を指すまでになっています。

マーケティングの発想で考えると、羊羹に地名を付けた事で、村岡総本舗の羊羹は特別なものなりました。安吉さんは当時、自転車の販路から電車に変更することによって流通チャネルの拡大を図りました。小城羊羹として固有の名前をつける事によって、他の羊羹との違いを引き出すことに成功したのです。安吉さんは羊羹職人でありながらセンスの良いマーケターだったのですね。

村岡総本舗の隣に、歴史的に貴重な建物があり、その中が羊羹博物館になっていました。見学も自由で、見学の後には羊羹と抹茶を点ててくれる粋なサービスを体験できます。また、お店で売っている和菓子は全て試食が可能なのにも驚きます。このようなきめ細かいサービスも安吉さんのマーケター精神を受け継いだ証なのでしょう。

—ただ今、ブログマーケティング実験中。—

実験の詳細は、『ブログマーケティング実験』『ブログマーケティング結果報告』をご覧ください。

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