There is no such as a free lunch.

2009年12月7日 月曜日

free lunch

無料という概念を使った販売促進方法は珍しいものではありません。ハンバーガー屋さんが無料のコーヒークーポンを配って、お客さんを呼び込む、自転車屋さんで簡単な点検は無料で行ってくれる、焼肉屋さんで初めの一杯をタダにしてくれる、CDを1枚購入したら、2枚目をプレゼントしてもらう、新車の車を半年間タダで載る権利(モニター)をもらう、などなどです。

世界的なベストセラーとなったロングテールの著者クリス・アンダーソン氏が無料からお金を生み出す新戦略という事で、まさに「FREE」というタイトルの本を出版しています。残念ながら、こちらはタダではありませんが、無料という概念をアトム経済とビット経済に大きく分けて説明しています。

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20世紀は基本的にアトム経済だったが、21世紀はビット経済になるだろう。アトム経済における無料とは、何かほかのものでお金を支払わされることで、まるどおとり商法のようだった。結局はお金を払わなければならないのだ。しかし、ビット経済の無料は本当にタダで、そもそも金銭がその方程式から取り除かれていることも多い。人々はアトム経済では「フリー」と聞くと当然ながら疑いを抱いたが、ビット経済では当然のように信頼する。彼らは両者の違いや、オンラインでフリーがなぜうまく機能するのかを直観的に理解しているのだ。
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著者はフリーのビジネスモデルを4つに体系化して説明しています。

■直接的内部相互補助
CD1枚買ったら、2枚目がタダになりますよ!がまさに当てはまります。原価を下回る価格でCDを売る事によって、ショップに来店して頂き、それ以上の利益を期待してのプロモーションです。最も有名な手法は、キングジレットのカミソリです。何かを無料、もしくは無料に近い価格で提供して、その後に発生する有料のビジネスを期待しているモデルです。

■三者間市場
2者が無料で交換をしている時、そこに関わるコストを第三者が負担するモデルです。例えば、テレビやラジオは制作物を無料に近い価値で消費者に提供し、広告主からそれ相当の金額を請求しています。ある意味、メディア産業はこのビジネスモデルにほとんどが当てはまるのではないでしょうか。

■フリーミアム
この言葉は、ウェブにおける新しいビジネスモデルです。ベンチャーキャピタリストのフレッド・ウィルソン氏の造語です。無料版から有料版のコンテンツを揃えるモデルです。例えば、フリッカーは無料で使えますが、フリッカー・プロは年間25ドルの使用料がかかります。選択はユーザーの自由。

直接的内部相互補助と同じじゃん!と思われるかもしれませんが、デジタル製品特有のからくりが隠れています。デジタル製品に関しては、無料と有料の境が薄れてきます。例えば、典型的なオンラインサービスは5%ルールが存在します。5%の有料ユーザーが確保出来たら、残りのユーザーは無料で使用しても利益がでるというものです。フリーミアムのモデルでは、有料版を利用するユーザー1人に対して、無料版のユーザーが19人もいるようなモデルです。デジタルの特徴、提供コストがほぼゼロになるので成り立つのです。ビット経済ならではのビジネスモデルです。

■非貨幣市場
これは対価を期待せずに、人々に差し上げるモノ全てが相当します。

早嶋聡史



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