消費者の動きに注目しよう!

2009年11月27日 金曜日

サザエさん

昨日、髪を切りに行きました。比較的ショートなので、髪を切る周期は1カ月に1回程度です。福岡に来てから、ずーっと同じ担当者にお願いしています。

その時のお話です。「最近、お客さんが髪を切りに来る周期を長くしているようです。」と。特に、女性のお客さんはその傾向が如実にでています。女性が髪を切る頻度が高いと思っていましたが、ロングであれば、多少伸びてもまとめたり、アレンジ次第では3カ月程度は切らなくても大丈夫だとか。どうしてもって時は、前髪だけ切りに来て、費用を抑えているようです。

現在、世の中は通常時ではありません。景気の低迷も続きます。政府はデフレの宣言をしていますが、そもそも日本経済は2001年にデフレに陥ってから正式にはデフレ脱却をしていなかったと思います。明確にデフレ脱却の宣言なしに、なんとなく景気が良くなったと思っていたら、実は再びデフレに陥った、というよりなんとなくの景気の良さが勘違いだった、というのが現状のように感じます。

まさに日本は長期低迷を続けているのです。

そうなると、景気を下支えする消費者の動きに変化がでるのも納得できます。景気が悪いのが続けば、職を失う可能性すらあるわけですから、当然支出を減らすようになります。そうして、消費者は、次のような行動に出るでしょう。

①より低価格の商品やブランドに向かう
②不要不急の買い物を控える、あるいは先延ばしにする
③遠方の移動を控え、職場や自宅近辺の活動が主になる

①より低価格の商品やブランドに向かう
例えば、ナショナルブランド(NB)の商品ではなく、プライベートブランド(PB)やノーブランドの商品を購入する消費者が増えてきます。この消費者行動の変化で特に打撃を受ける企業は、ブランド力がそこまで強くない高価格帯商品を扱っている企業、ブランドです。

②不要不急の買い物を控える、あるいは先延ばしにする
例えば、車、家、大型家電、贅沢な休暇の過ごし方、などが相当します。こうした商品を提供している企業は、経費を切り詰め、在庫を圧縮する、場合によっては人員整理をしなければならなくなります。当然、この仕入先やその従業員も影響を受け、それによって関わるステークホルダーの購買力が更に低下して、買い控えが雪だるま方式で増加するでしょう。

今回の髪を切る周期を先送りする話は、こちらに相当するでしょう。他にも、スーツや普段着なども新たに購入する周期が長くなり、上記と同じ現象が起こってくると思います。

③遠方の移動を控え、職場や自宅近辺の活動が主になる
この影響は、遠方から顧客を集めて商品を提供する企業に打撃を与えます。一方で、家庭内での食事や、家庭内での娯楽に費やす時間が増えるので、こちらの商品は少し場から上向き加減になると思います。経済の本に良くあるように、景気が悪くなると、サザエさんの視聴率が上がるのは、日曜日の夕方に家庭にいる確率が増加するからなのです。

早嶋聡史



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