違う事が素敵な戦略

2009年11月24日 火曜日

different

景気が悪くなるとコスト削減のために、全ての部門のコストを一律に削減する企業を多く見ます。特に、マーケティングや人材教育費などは問答無用に削減されています。短期的には経費が浮くでしょうが、景気が戻ってくる頃には、競合する企業や全く違ったプレーヤーに差をつけられるばかりでしょう。

企業の業績が優れなくても、自社のコアには投資を続け、将来の仕事を継続的に作りだす事が必要です。このように書くと、言葉で言ってもと思われるでしょう。しかし、どうでしょうか?儲かっている時にも、一律に全ての事業に投資を拡大しますか?きっとポートフォリオを組んで、より尖った投資を行う意思決定をするでしょう。

儲かっている時も、儲かっていない時も、メリハリをつけて、得意分野にフォーカスを絞り、そので利益を出せる体質を作る事が今後の不確実な世界で戦っていくためには重要な事です。

そんな中、とある中堅企業では、経費を削減するのではなく、部門間のコミュニケーション・ロスを見出して、それによって生じていたネガティブな要素を削減する試みで業績を回復している企業があります。部門間に壁があり、互いの情報を共有できていないために営業のロスが出ていたり、取れるはずの仕事を逃していたりしていました。

そこで、営業部門と現場部門が密にコミュニケーションを行えるように事務所を1つにまとめました。始めは、移動にややロスが出たそうですが、互いが有機的に情報を交換する事で2度手間、3度手間が省け、結果的に効率が30%向上したそうです。

それから従来の営業の提案と言えば、とにかく1円でも価格を下げる事!と考えていたようですが、現場と営業が密にコミュニケーションを図る事で、顧客が望んでいるニーズやウォンツが顕在化し、それに対しての提案をするようになったそうです。結果、提案する価格は高くなりましたが、顧客のニーズに沿っているため、競合することなく新規の受注につながっています。

同業他社と同じ動きを取ったところで体力がある企業が残り、体力が無い企業はすたれます。生き物の生存競争と同じです。生き残るために、いや、成長するために、今だからこそ、他社屠氏がったポジショニングを明確に示して、全ての分野で拡大するのではなく特定の分野に絞り切って売上よりも利益率を高める動きをする事で、ピカピカに生まれ変わることだって可能なのです。

早嶋聡史



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