CEOのEQ

2006年5月8日 月曜日

早嶋です。

経営者のEQは極めて高いはずだ。と誰しも考えると思いますが、今月のハーバード・ビジネス・レビュー(HBR)によれば、10万人に及ぶ調査結果から、CEOのEQが最も低く、ミドル・マネージャーのEQが最も高かったという報告がありました。

調査対象は、過去5年間、6大陸のCEO1000人を含めた様々な業種のシニア・マネージャー、ミドル・マネージャー、現場のスタッフなど10万人以上です。その対象者に対して、自己認識、社会認識、自己管理、人間関係力を評価し、それを100ポイントの総合判定でEQを算出しています。

HBRの職制ごとのEQ指数は以下の通りです。
 CEO          70.5
 執行役員        71.0
 シニア・マネージャー  72.5
 取締役         74.5
 ミドル・マネージャー  77.5
 主任          77.0
 一般社員        74.0
(上記の最高値と最低値のポイント差は7ポイントですが、統計的には有意)

これからいえることは、企業における社員の昇進基準が未だに、リーダシップ能力よりも、勤続年数や知識に置かれているということです。

そもそも、EQとは、Emotional Intelligence Quotientの略称で、心の知能指数です。89年に、イエール大学心理学部教授、ピーター・サロヴェイ博士と、ニューハンプシャー大学心理学部教授ジョン・メイヤー博士によって「Emotinal Intelligence」で発表された比較的に新しい概念です。これによるEQの定義は、以下の通りです。

 ・環境に適応できるように情動を正しく知覚し、評価し、表現する能力
 ・情動や情動的知識を理解する能力
 ・思考しやすくなるように情動にアクセスしたり、情動を生み出す能力
 ・思考を助けるように情動を調整する能力
※情動(Emotion)とは、喜び、悲しみ、怒り、恐れ、嫌悪、驚きのことをさします。

このEmotionが人間の行動や生活に大きな影響を与えていることは、古代から言われていまが、EQが注目されている点は、Emotionを調整したり利用することも「知恵の一部」だという点です。

つまり、IQは行動に密に関わるEmotionの部分を除いた知能を示すもので、EQは知能を多面的に捉え、より実質的な知能を示したものになります。このため、IQがどれほど高くてもEQが低ければ、自分の情動(Emotion)を上手く管理できず予測した良い結果が期待できなくなるのです。

EQは努力によって高めることが証明されているので、HBRでは、まず自己のEQを知り、EQの必要性を認識しようと経営者に問いかけています。

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実験の詳細は、『ブログマーケティング実験』をご覧ください。

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