どんな立派な建物でも、それがしっかりと立つには基礎が必要です、基礎なしに建物だけを立てると、雨や地震などで簡単に家は壊れてしまいます。上司の指導も同じで、基礎と建物が必要です、基礎は「態度(attitude)」つまり部下との向き合い方、建物は「技能・技術(skills)」つまり何ができるかです。
一般に階層別研修などでも上司(課長や部長)として必要な技能や技術に焦点を当てる場合が多いようです、つまり「何ができることが必要か」にです。しかし実際の指導の場面に必要なのはとってつけたような技能ではありません、上司の態度がもっと重要です。
例えば技能であれば、社会・業界・自社の知識、業種・職種ごとの専門技能、教え方の技術、そしてコミュニケーション能力などが挙げられます、それぞれに一定のレベルが必要なことは言うまでもありません。知識や技能が不十分な上司から「教えてもらいたい」と思う部下はあまりいないのではないでしょうか。
そして態度では、何と言っても「固定観念」を持たないこと、「自分が正しい」という傲慢さを捨てること、「成功体験」を忘れること、「挑戦する」姿勢を持つこと、「成長」し続けること、「自己管理」できていること、部下の成長や思考に「嫉妬」しないこと、部下の成長を本気で考えていること、などが挙げられます。
特に気をつけるのが「傲慢さ」です、これは知らず知らずに身につけます、そして言動に表れるのです。年齢には関係ありません、若い上司ほど陥りやすいかも知れません、何しろ経験が少ないですから、ちょっとした成功にも舞い上がるのです。その結果自分だけが正しいと勘違いし、人の言葉に耳を貸さなくなり、途中で遮ったりもします。
こんな上司に相談したりアドバイスをもらったりしたくはなりませんよね、部下を持ってコーチングしようと思っている皆さん、こんな兆候が出ていませんか?