新横浜の研修所、よく利用する自動販売機では100円の水が売れに売れています。実際、研修参加者の多くの方が100円の水を購入しています。
こちらの自動販売機、500mlで100円の水(クリスタルカイザー、以下100円の水)とその他は、500mlで130円のナショナルブランドのお茶や清涼飲料水が販売されています。
もし、100円の水が無かったら、130円のナショナルブランドのお茶や清涼飲料水は通常の価格、150円よりも安いので売れ行きが伸びると予測できます。しかし、ここに100円の水が並ぶ事によって、130円の価格が相対的に高く感じられるようになるのです。そして無意識に100円の水を購入する。これって不思議ですよね!
このことに関して、ブログ「松竹梅の価格設定」や「誘引効果(コントラスト効果)」でもコメントしています。人が購買をする時、絶対的な価値評価よりも相対的な価値評価で購入の意思決定をしているのです。
これは行動経済学でも論じられています。モノの価値は刷り込みによって変化するという仮説です。数十年前、ある動物学者は卵から孵ったばかりのガンの雛が初めて見た動く物体を母親と認識して愛着を持つ事を発見しました。そして、その動く物体が実際の母親ではなくても、継続的にその動く物体に愛着を感じ従順にしたって行くのです。つまり、一度決めたことについて貫きとおすド汚物の行動を発見したのです。この自然現象は「刷り込み」として呼ばれました。
注目すべき事実はこの刷り込み、人間の脳にも適応できるということです。これは別の言葉でアンカリングとも呼ばれます。一度、自分で決めた基準や概念からなかなか抜け出す事が出来ないのです。
例えば、はじめて購入する製品やサービスの価格は全く分からないので、初めて見た値札の価格がその人の基準となるのです。以後、その製品やサービスはその価格がベースとして、その人に判断されることになります。
100円の水が多く売れる理由を、水を買いながら考えてみました。
早嶋 聡史(はやしま さとし)
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