国産品保護の現状

2006年4月30日 日曜日

早嶋です。

日本の所得構造は、大きく2極化の構造にあります。大前さんのロウアー・ミドルの衝撃によると、年収600万円以下の層が全体の80%を占めています。この層は、日本ではロウアー・ミドルに相当しますが、世界レベルの年収で比較すると、十分にアッパー・ミドルに入ります。

日本が、世界標準で比較して、アッパー・ミドルに相当する層が80%もいるのに、もっと豊かな生活を享受できないのはどうしてでしょう。理由の一つに、日本の高コスト体質があります。日本の物価が世界標準であれば、年収600万円の半分は余裕所得として使える計算になります。しかし、実際は余分な規制や過度な産業保護のために生活に必要なコストが割高になり、その分、余裕所得が削られているのが現状です。

日本の生活で高いコスト体質になっているのが住宅です。標準的な家屋の坪単価を比較すると、日本では40万円から50万円。これがカナダやニュージーランドだと20万円から25万円(約半分)、東南アジアなら10万円(約1/4)です。

工法や材質の違いはあるのですが、建築資材そのものの分野で寡占体制が敷かれているのが理由のようです。板ガラスを例に取ると、世界のシェアは日本企業が上位を占めます。世界シェアトップの旭硝子(14%程度)、ピルキントン社買収で2位になり、旭硝子と同じ程度のシェアを占める日本板硝子。そして、日本における板ガラスの供給は殆どこの2社で占められています。

海外から安い板ガラスを輸入しようとすると、耐火性の基準を満たさないということで使えないという規制にぶつかります。では、この規制は誰が作っているかというと、板ガラスの業界団体で、構成メンバーは日本板硝子、旭硝子、セントラル硝子の3社です。つまり、自分たちで規制を設けているのです。

規制に引っかかるオーストラリアやカルフォルニアでは、森林火災が多いため実は耐火性の基準は日本以上に厳しいのです。火炎放射器のようなバーナーで20分間も火を当てて耐火性を測定するという現実離れしたレベルにあります。

日本の会社が自分たちの言いように規制をつけて、寡占状態を維持していると言うのは考えすぎでしょうか?

—ただ今、ブログマーケティング実験中。—

実験の詳細は、『ブログマーケティング実験』をご覧ください。

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