瞬足(しゅんそく)

2009年8月26日 水曜日

小学生にとって50mを速く走る、小学校のグランドを速く走れることは人気者になれる近道かもしれません。そんな小学生の心を掴んでいる商品がアキレスの瞬足です。

瞬足は03年にアキレスが投入した子供用の運動靴です。そしてそのコンセプトが小学生に響いています。靴底の左側のグリップ力を増す事でトラックのカーブをバランスよく速く走れるというのです。普段の掛けっこや運動会でも速く走れる!という夢のようなシューズは子供たちの間で口コミが広がり今や年間に500万足をも販売する大ヒット商品になっています。(※因みに、運動靴では年間100万足で大ヒットの世界、500万足は異例のヒットで有る事が伺えますね。)

ここに目をつけたのがブランドビジネスに強い伊藤忠です。伊藤忠は瞬足の靴以外のマスターライセンス権を取得しました。そして他メーカーとサブライセンス契約を交わし、ウエア、靴下、水着、自転車、一輪車、文具、弁当箱、更にはスキー用品まで瞬足のブランドを拡張するという計画です。市場は3歳から11歳の約1000万人を超える子供。3年間で150億円の総合ブランドを見込んでいます。

さて、このブランド展開はいかがなものか?瞬足のブランドメッセージは、「コーナーを速く走れる靴」でした。そして子供たちの間でもその事が明確に支持されています。したがって、走るという機能に着目するとウェアや靴下はその意図を継承する事が出来ますが、自転車や一輪車、弁当箱に至ってはブランドのイメージを継承するのにそもそも無理があるのではないでしょうか?

これに対しては、アーカーの著書「ブランド・エクイティ戦略」でブランド拡張時の留意点としてブランドネームが傷つけられる厄介な影響を注意しないといけない、と指摘しています。また、瞬足のブランドイメージを希薄してしまうことも考えられます。

瞬足のブランディング。注目ですね。

早嶋 聡史(はやしま さとし)

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