「ハムレット」「オセロ」「リア王」「マクベス」ですが、共通点は何でしょう。題名が全て“名前”であることです、名前を題名につけることで、シェークスピアは大事なことを伝えています。 “悲劇は外的な出来事によって起きるのではない、その出来事にどう反応したかによって起きるのだ”、つまり、悲劇は王たちが自ら起こしたものだというのです。
人が外的な刺激に対してどのように反応するかというプロセスを示したものに、エリス・Aが唱えたABC理論というのがあります。すべての感情は起こったことによって生じるものではなく、その事実をどのように受け止めるかという“当人の思い込み”によってもたらされる結果としての感情だと言っています、これと同じです。
例えば、私が誰かにあいさつをしたとして、その時に相手があいさつを返さなかったとします。そんな時に私がどのように受け取るかが問題だというのです。“挨拶をしないのは私を無視しているからだ、軽んじているからだ、馬鹿にしているからだ、私に対して腹を立てているからだ、私のことを嫌いだからだ”、という思い込みが私にあったとします。
そうすると私はその相手に敵意を抱くかもしれません、少なくとも好意を持つことはないでしょう。そして次にはその相手を無視することもあるかもしれません、それが関係を損ねることにつながるのです。その相手はたまたま考え事をしていたのかもしれません、自分のことで精一杯で周囲に配慮することができない状態にあっただけかもしれません。
こんなことってよくありますよね、それもこれも受け取る側が精神的に余裕がある状態でいれば防げることではないでしょうか。余裕がないとつい過剰に反応して、言わずもがなの言葉を口にしたり、意味のない感情を持つことで結果として自分も嫌な思いをします。上司と部下の関係では、やはり上司の側が大人の余裕を示すことが大切です。
そのためには上司が精神的に安定していること、つまり“頭が整理されていること”、“心が穏やかであること”、“体調が良いこと”、ではないでしょうか。事実と異なる思い込みに感情をコントロールされることなく、冷静に対処できることが上司には必要ですね。
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