パラドックス・オブ・チョイス

2009年6月24日 水曜日

早嶋です。

先ほど、音波歯ブラシを買おうと店頭まで足を運んだところです。さて、どれにしようか?と見ているとふとその商品の多さにやや戸惑いを覚え、どれを選んだら正しい購買をしたことになるのか?全くわからなくなりました。

洋服や靴など日頃から良く購買するものは、選択肢が多くても自分のスタイルに沿って自分の判断を信じて迷うことは無いのですが、今日はどうやら勝手が違います。

これは現代の情報化社会と成熟した社会の特徴なのでしょうか?世の中を取り巻く環境には無数に商品があふれ、無数に情報が飛び交います。しかし、その中から最適(少なくとも自分の選択に自身を持てる程度)なものを選ぶことがしばし困難に感じられます。

Paradox of choice.Barry Schwartzはこの情況についてこういいます。選択肢の多さが醸し出す人間心理とのギャップとの間の矛盾と。

メーカーは顧客満足を高めるために顧客があたかも個客であるかのように、より緻密な欲求を聞き出し、それを解決するために様々なオプションを用意します。

例えば、ジーンズ。昔はリーバイスの501を1本持っておけば外れは無かったと思いますが、今ではあらゆるメーカーが様々な種類のジーンズをプロデュースしています。

例えば、ポロシャツ。昔はラコステのポロシャツを2、3色持っていれば良かったのに、やはり様々なメーカーが様々なかたちと色を展開しています。

これは、アパレル用品に限らず洗剤から牛乳、化粧品からサングラス、車から携帯電話、金融商品からアイスクリームまで実に様々に選択肢が用意されています。更にその選択肢は趣味や生き方、職業や価値観、大学やお稽古事まで実に多様です。

実際、選択肢が多くて確かに便利なのですが、その決定のために悩む真理的な負担や時間のロスはまさにパラドックスですね。

著書、パラドックス・オブ・チョイスの中で面白い実験が乗っています。あるスーパーマーケットで高級ジャムのサンプルを並べます。試食してもらった後に購入までのプロセスを調べる実験です。1つのテーブルには24種類のジャムを、別のテーブルには6種類のジャムを並べて試食してもらいました。

結果、どちらのテーブルも実際に試食したジャムの平均回数は同程度、しかし購入に結びついたのは24種類のテーブルのほうが3%だったのに対して、6種類のテーブルは30%でした。

この実験は選択肢が多すぎると購入につながらない!という事実を示したものです。購買決定に要する時間が長くなると、購買を拒否するという行動を選択する可能性があるのです。

こう考えるとマジックナンバー3の3つは、パラドックス・オブ・チョイスの観点からもパワーを持っているのですね。



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