経営の目的

2009年6月9日 火曜日

早嶋です。

本日は富士フィルムさんで戦略立案基礎研修でした。参加者の方々、お疲れさまでした。

毎回、この研修の冒頭で経営ピラミッドをベースに「何のために会社を行うのか?」という企業理念について議論します。今回の切り口は、国内にいくつの空港があるのか?という質問から始めました。10?20?30?・・・。参加者からオークションのように数字が飛び交います。しかし、実際は100以上も国内に空港があります。

単純な計算で各都道府県に2つの空港があるのです。本当に必要なのでしょうか?箱モノとは良く言い表した表現で、多くの空港が赤字垂れ流しの状態です。

何故、日本ではこのような状況が続いて来ているのか?一つに考えられるのは誰も日本全体を考えずに官僚組織の単位がバラまきになっている事があります。全体を考える人がいないから、造ってみたけれど実際は利用されない。そんな状態がどこにでも見られます。

本来は各役所には、それぞれのミッションが確立されていました。国家の社会基盤を作る、運輸基盤を作る、農林漁業の基盤を作る、医療基盤を作る、教育基盤を作る、・・・などです。そして、各省庁に対して大蔵省が予算配分をコーディネートしてミッションを遂行していました。しかし、いつしか。本来のミッションが二の次になり、公共事業への過剰投資が進み官僚の腐敗が進んで行ったのです。本末転倒ですね。

この状況は、企業においても観察できます。企業が本来向かなければならない自社のミッションの遂行に対して、いつしか企業本位になった矛盾した経営が氾濫する現象です。結果、不都合な状況が起きて倒産です。

倒産したNOVAのミッションは駅前留学を通して生徒の英語力を向上する事でした。しかし、いつしか企業の内部の都合で目標1000校という顧客に目を向けない目標が社内に浸透しました。すると、顧客から預かった前受け金をファイナンスして校舎を次々に拡大していく。その結果経営波状。

ミッションをないがしろにして、顧客に目が向かなくなり、企業の都合で活動をすると多くの場合、上手くいかないのです。



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