問題は知らないことではない、知っていると思うことである

2009年6月5日 金曜日

アメリカの有名な作家、マーク・トウェインの言葉です、「トム・ソーヤの冒険」などを読んだことがあるのではないですか。彼はほかにも名言を残しています、“私が経験したもっとも寒い冬は、サンフランシスコの夏だった”、“あなたがロンドンに飽きた時は、人生に飽きた時だ”。サンフランシスコの北、ソーサリートの街に、彼の好んだホテルがあります、「カサ・マドロナ」、最上階からの眺めは最高です、機会があればぜひどうぞ。

本題に戻ります、およそ上司というものは「過去の輝かしい実績」を持っているものです、しかしその実績こそが上司の固定観念につながり、新しい発想や部下の成長の妨げになると言われます。どんな場合にそれが起きるのでしょうか、それがどのような妨げになるのでしょうか。大きく分けて二つあるように思えます、成果にかかわる場合と部下の感情に関わるものとがあります。

まず感情に関わるものを考えてみます、“途中で口を挟む”、“相手の考えを否定する”、“相手の話を先回りして答えを決めつけてしまう”ことなどないでしょうか。これらはすべて“自分は答えを知っている”という思いからだと言えます、上司のそんな言葉を耳にすることはよくあります。そんな時に相手は“聞いて貰えない”“そうじゃないのに・・”この人に話しても仕方ない“と感じます。

成果に関わるものを考えてみましょう、“間違って理解してしまう”こともありますし、“やっぱりそうか”と自分の思い込みを確認するだけに終わってしまうこともあります。せっかくの部下からの報告を正しく理解できないばかりか、間違った指示を出してしまうことにもつながります。大切な報告を聞き逃してしまうこともあるでしょう、意思決定に重大な問題を生じることになります。

他にも、上司の思い込みが問題になることがあります、市場環境が変わってしまった時です。“こうやればうまく行く筈だ、いつもこうやって来たんだから”と、昔からの自分のやり方に固執してしまうことです、環境が変わればやり方も変わります。10年ほど前に流行った本が、昨年来また売れているようです。“チーズはどこに消えた”、聞いたことはありませんか、古くなった情報にすがりつくことの愚かさを書いています。

上司たるもの、「自分が正しい」「自分は知っている」「自分が一番」という思いをわきに置くことができると、部下との関係も成果もよくなるのではないでしょうか。

長田



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