早嶋です。
日本では5万円パソコンの愛称で呼ばれているネットブック、利益は出るのでしょうか?と感じた方、多いと思います。しかし全てビジネス、ボランティアで破格のPCを提供するはずはありません。結論を言うと、5万円パソコンの部品原価は約2万円程度です。
もちろん、誰でも実現できる原価構造ではありません。これらを実現するためには3つの条件が重なる必要があります。
1)1000万台程度のビジネス規模で行わなければ利益は出ない
5万円パソコンの部品原価の内訳は、カーナビ用の液晶パネルが70ドル、基本OSが50ドル、CPUが25ドル、ハードディスクが30ドル、メモリーが20ドルで合わせると約200ドル。しかし、薄利多売のビジネス故に利益が出る台数は1000万台以上のビジネス規模が必要です。
2)規模の経済による莫大な価格交渉力を持つこと
現在、世の中で売られているパソコンの実に9割程度が台湾メーカーといわれます。故に、1つのメーカーが大量に部品を購入していることになります。このことが強力な価格交渉力を生み、通常の市場価格から比べるとOSで約1/3、CPUで約1/2の価格で仕入れる力があるといいます。
3)余分なソフトを搭載しないこと
5万円パソコンの一般名称、ネットブックから分かるように、パソコンの機能をネットと電子メールに限定しています。つまり、余分なソフトを一切合切省いているのです。これは、電子辞書の値段の殆どが、辞書のソフトライセンスを占める事を考えれば容易に想像がつくと思います。もっぱら、ネットブックが発達した背景は、クラウドコンピューティングの進化も関係するでしょう。ソフトも最早、ネット上で調達して使用できるようになってきたからです。