早嶋です。
シカゴ大学の経済学者ジョージ・スティーグラーが消費者を2つに分ける論文を記述しています。最高の売り手や買い手を求めるサーチャーと、求めないノン・サーチャーです。
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消費者にとって、商品やサービスを探し求めるコストは誘いをかけてくる売り手の数に比例する。主要なコストは時間だからだ。半数の人にとって、情報を消化吸収することは楽しい作業ではない。
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サーチャーにとっては情報を収集すること自体が楽しい作業であるけれども、ノンサーチャーにとってはその作業自体が苦痛になります。また、マイケル・ポーターは著書、競争の戦略の中で時間に関するコメントを記述しています。
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買い手のバリューチェーンが金銭的コストのみならず、時間というコストも含んでいる。
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問題発見から情報検索、評価選択、購買までにかかる時間も、購買するときの金銭的コストと同様に消費者にとってコストになっているということです。この場合、対象者はサーチャーでは無く、ノン・サーチャーです。
上記のことが示唆することは、消費者を時間という軸で分類できるという点です。例えば、同じ商品を購入する人であっても、サーチャーとノン・サーチャーがいます。サーチャーであれば、その商品に対して情報検索すらを楽しみながら行いますが、ノン・サーチャーは購入するまでの時間すらもコストと感じます。
B2Cの商品であれば、対象顧客が時間をコストと感じている場合のコンタクト・ポイントの設定と楽しみのひとつと感じている場合のコンタクトポイントは違います。従って、時間軸でうまく分けることができれば、顧客が最もほしいタイミングで最も適した情報を提供することが可能になります。
消費者が購買にかける時間を心地よいと感じるか、コストと感じるか。この対局する2軸をセグメントの軸として利用すると、これまでと違った視点でセグメンテーションができそうですね。