適応性無意識

2009年1月23日 金曜日

早嶋です。

本日は、東京。戦略立案の研修でした。参加者の方々、長い時間、お疲れ様でした!!

なんでも鑑定団の鑑定士が骨董品を鑑定するとき、最初の2秒程度で贋作だ!とか、本物だ!とか判断するそうです。この感覚は何も特別の人たちに限定したことではないでしょう。何か危機的な状況や判断を急がなければならないとき、なんとなくこっちとか、あっ止まらなきゃ!とか感じることがあると思います。

適応性無意識決して自分が知っている情報や知識を全て活用したわけではないのに、なぜか1発で判断したことが正しい。意識レベルで考えているのではないけれど、何かを感じる・・・。

このような結論に達する脳の働きを適応性無意識は呼びます。心理学や脳科学の中でも新しい分野の研究対象です。無意識という言葉は、フロイトの精神分析でいうそれとは別物です。フロイトの無意識は、暗くてぼんやりして意識すると心を乱すような欲求や欲望、記憶や空想を格納する場所です。

対して、適応性無意識はスーパーコンピューターのようなイメージで、大量のデータを瞬時に処理する機能を持つのです。この分野の論文では、次のように説明がありました。

たとえば、通りを歩いていてトラックが突っ込んできます。とっさに正しい方向によけることでしょう。そのとき、あらゆる行動を考えながら最も適切な行動を選択すると言った判断をする時間はあると思いますか?もちろん、ないですね。人間が過去厳しい生存競争を勝ち残ってきた理由の一つに、情報がわずかでも素早く適切な判断を下す能力を発達してきたから、という見解があるそうです。行動な思考の多くを無意識という空間に譲渡してきたからこそ、心の状況を最効率にしてきたのです。

この適応性無意識のモードは常に動いているわけではなく、無意識のうちに思考のモードをスイッチングしています。人の印象は無意識の判断かも知れません。洋服を購入する時は意識的にあーでもない、こーでもないと考えるかも知れません。

適応性無意識の研究が進めば、もちろんマーケティングという分野でも適応されるでしょうし、マネジメントの分野でも新しい手法が生み出されるでしょう。脳という領域は実は人間が触れてはいけない領域なのかも知れませんが。



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