営業プロセス

2008年12月9日 火曜日

早嶋です。

今朝は、パートナー会社であるEQパートナーズさんにお邪魔して、09年度からの事業コンセプトと戦略を話し合っています。

野球場部下を管理する方法は大きく分けて2つあります。リザルトコントロールとアクションコントロールです。前者は結果を掲げてその間のプロセスには関与せず人を管理する方法で、後者は行動やプロセスに関与しながら人を管理する方法です。

例えば、企業研修をセールスしている営業を考えてみましょう。ざっくりとした営業プロセスとしては、研修担当者にファースト・コンタクトをとる、研修担当者から研修の採用を決定する権限を持っている人を紹介してもらう。その権限を持っている決定権者に対して提案をおこなう。そして、採用。という流れを考えてみます。

 1)担当者面会
 2)決定者面会
 3)決定者への提案
 4)採用

例えば、リザルトコントロールの管理方法であれば、4)の採用件数の目標を掲げ、ある一定期間の成果をもとに人を管理していきます。1か月に5件、とか3か月で15件という感じです。

一方、アクションコントロールでは、担当者面会が多くて、決定者への面会が少ない場合は、次は決定者への面会をふやしなさい!という感じで行動を管理していきます。

次に、営業プロセスが一巡して、成果を上げるようになったら、1)担当者の面会から決定者への面会の確率、2)決定者への面会から3)決定者への提案への確率、3)決定者への提案から4)採用の確率というように、各営業プロセスから次のステップに進む確率を管理する個人レベルで調べていきます。もし、1)担当者への面会の数は多いけど、2)決定者への面会や3)決定者への提案のプロセスに進んでいないようであれば、1)担当者への面会から2)決定者への面会へ進むための行動を促します。そして、その時の管理する指標は、1)から2)へ進むための確率です。

通常、営業プロセスの確率は営業パーソンごとに異なります。理由は営業パーソンごとに得て不得手があるからです。そのため、各営業パーソンがどの確率が高く、どの確率が低いかをしっかり把握することが営業管理者の仕事になります。仮に、1)から2)へ進む確率が低ければ、その対象方法としては、ア)確率を上げる、イ)面会できる担当者を開拓する、のどちらしかありません。

営業パーソンにとって成果を上げることが仕事ですが、様々な顧客にアプローチしていて、提案をたくさんしていれば、結果にかかわらず時間を使い、忙しく働く必要があります。営業管理者から見れば、結果はともかく、営業パーソンはよく働いてくれているからしょうがないな、と感じることでしょう。しかしこれでは効果的効率的な営業は出来ません。

例えば、3)決定者への提案をたくさん行っていて、4)採用までいたならい営業パーソンがいるとします。この場合、決定者に対して毎回、提案を行っているので傍から見るとものすごく仕事をしているように感じます。しかし、成果にはつながりません。それどころか、提案をするということはバックオフィスの労働量(見積書の作成やその他資料の作成など)を増やすことにもつながります。これで成果につながりにくければ、コストの浪費です。

そのため、管理者としては提案量を今よりも減らしてもよいから、決定者への提案から採用の確率を上げることに注力するようにアクションコントロールしたほうがよいのです。

リザルトコントロールにせよ、アクションコントロールにせよ、営業パーソンの一連の行動をプロセスに大まかに分解して、各ステップの進み具合を確率で見ていく発想はとても有用です。

出来る営業パーソンは、1)から4)までのステップを飛ばしているわけではありません。1)から4)までのステップを短い時間で回しているのです。これは、野球と同じです。点数を入れるためには、1塁から2塁を回り、3塁を踏んでからでないとバックホームすることはできません。ホームランを打ってもからなず、1塁から3塁を経てホームに戻りますよね。また、どんなに塁に出たとしても、2塁に進まなければホームには近づきません。



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