早嶋です。
仙台から東京に向かっています。
昨晩は、仙台の知人と久々に会い、横河の技術者時代の話に盛り上がりました。実に5、6年前の話です。当時はまだ、技術者としての道を進んでいたころ。知人との出会いのきっかけは東北での共同プロジェクトでした。彼は、横河のバックアップをしていただいた、地元代理店の技術者。連絡するのも、会うのもそのプロジェクトのとき依頼。
横河と三菱、そしてJRの3社で青森、秋田、岩手にまたがる主要線路のポイント(線路の切り替えを行う装置)に雪が積もったり凍って動かなくなるのを防止する装置、融雪装置という機械をLonWorksという通信規約を用いてネットワーク制御をおこなうというプロジェクト。
横河の役割は、実機の融雪装置をLonWorksで制御し上位層との通信の入り口を確立することでした。早嶋は当時、LonWorksの技術を用いて産業用機器の制御を行っていたた関係で、このプロジェクトに参加。はじめは、制御アルゴリズムをくみ上げる担当でしたが、実際は、LonWorksはニッチなプロトコルであったため、現地で立ち上げる技術者がいなく、結局、現地のインストール作業まで経験することになります。
決まって、この手の共同プロジェクトは立ち上がりから導入までの期間が短いため、急ピッチで行われます。だからと言って手を抜くわけにはいきません。なんせ、融雪装置の制御が上手くいかなければ、東京と北海道を結ぶJRの主要線路が閉ざされるからです。しくじると多額の賠償責任を問われます。というわけで、結構なプレッシャーを感じていたことを思い出します。
最も印象的な思い出は現地でのインストール作業。融雪装置が設置されるポイントは、雪深い山奥の駅や無人の駅に点在します。作業は1つの駅を1日から2日間かけて制御プログラムのインストールから動作確認までを行っていく地道な仕事。もちろん、融雪装置を稼働する12月から2月にかけて。南国生まれの早嶋は、一生分の雪を見ることになり、東北の辺境をくまなく巡りました。
現場は人里離れた場所、宿泊先を朝早く出て作業が終了するのは夜遅く。1週間くらいきりたんぽ鍋を食べ続けたこともありました。宿泊先の近くにご飯を食べるところがなく、そのお店1件しか無かったからです。
プロジェクトが無事終了して、いつしか忘れていましたが、早嶋が制御を組んだ融雪装置、当たり前ですが問題なく現在も稼働中とのこと。なんか、嬉しかったです。融雪装置の仕事を終えて、東北には何となくばつの悪いイメージを持っていましたが、今ではよき思い出です。