背景
グループ企業のバリューチェーンの一部を継続的に受けていた企業が親会社の戦略行使の一環でグループ会社から独立することになる。自社の売上は設立以来半自動的に関係会社から出ていた。従って自分たちの市場のポテンシャルの分析や競合と比較する視点が不足している。また業界に於ける立ち位置やプレーヤーの整理もままならない。また、これまでの経営計画は昨対で数字を積み上げる文化であり、新しい事業も計画の数字を作れば出来ると社員が思い込んでいる節があった。 更に、事業ポートフォリオは全て成熟期か衰退期のポジション。今はある程度利益が残るがそのビジネスは遅かれ早かれ衰退に向かう。
このような背景の中、トップマネジメントの右腕左腕になるように選抜されたミドルマネジメントに対して一定期間に戦略思考のインプット、実際の経営計画の策定、そしてそのモニタリングを行う依頼を受ける。
支援内容
支援内容をFase1をインプット、Fase2を仮説ベースでの課題立案と計画、Fase3をモニタリング&ブラッシュアップと3つに分けて取り組んだ。
■Day1&Day2
2日間で、事業環境の理解、競合環境を理解するために調べなければならない視点の整理、自社の分析の仕方とポイントの共有、マクロ環境から見る今後のトレンドを座学でインプットして、1週間後に、一部仮説とファクトで参加者に整理して頂く。
■Day3&Day4
整理頂いた環境分析の結果から、「So What?」を繰り返しながらビジネスチャンスを見出し、自社の強みを活かせる既存の領域、新規の領域の議論を繰り返す。そして、現時点で考えられるシナリオの方向性を複数整理。続きは1週間後に再度行う。
合わせて、過去に策定した経営計画と現状達成する見込みの数字(A)、不確定な数字(C)、達成する可能性がやや高い数字(B)に分ける。目標数字とAのギャップ(B+C) お部分を明確に分けて対策を講じる。Aに対しては、欠けている工数や費用を最低にしても売上できる仕組みやアクションを整理・議論する。ギャップに対してはゼロベースで市場や顧客の定義を見直した上での計画を立て直す。
効果
従来立案していた計画の見込み数字に対してAレベルに加え、Bレベルの部分までは挽回できることがみえ、実際の活動の中で契約締結も進んでいる。Cに対してもアプローチを変えたことで方向性はみえてきた。何よりも低迷していたマネジメントの士気が高まり、新たな組織としてのスタートを切れた。
クライアント様の声
当初の2日間は重い空気の中、早嶋さんがズバズバファクトベースで質問を繰り返し、自分たちが考えていた領域が如何に視点が狭く、また親会社の売上任せになっていたかを痛感した。
不可能と諦めていたが、定石通りに自社の強みや弱みの分析を行い、競合や代替する企業の取り組みやレベル感を仮説レベルで分析していくうちに、自社の強みがみえてきた。これまで意識していなかったがある部分においては業界でも有数のレベルに立ち位置があることが分かった。これまではこのような整理は無かったので活用することも考えていなかった。これからがスタートだという気持で取り組みたい。