背景
近年の急激な状況の変化から、入社数年目の社員の発想が驚くほど保守的、閉鎖的だという議論が社内で上がっていました。2013年頃の話です。就職活動の面接等では、自分をアピールすることが上手で、採用まで行くのですが、いざ仕事になると手が動かない、行動しない、言われるまで待っている。という社員層が増えた層です。
そこで試しに、そのような階層の社員を抜粋して思考のトレーニングを行うことでマインドが変わるかを試したい。という人事の要望があり、マインドの変化、思考の変化を一緒に実現するようなトレーニングの企画の話が関係会社経由で弊社にきたのがキッカケです。
支援内容
思考を発散と収束に分けて、前半を1日、後半を1日で提供しています。研修の中身は、1日目はワークや体を動かしながら学ぶアクションラーニングの手法を取り入れて、普段の仕事や生き方を様々な確度から見直して思考の発散について意識を高めます。2日目は、発散した思考を絞り込む収束に重きを置き、アタマの使い方を整理していきました。
■1日目(発散)
ここでのメインのメッセージは、創造的に思考を拡げることは誰でもできるというマインドを持つこと。そのために、他者比較を止め、自分との比較に焦点を充てるようにします。そして、思考の深掘りや拡散、そして組み合わせを自由に行えるように思考を視覚化、言語化、構造化することの重要性と手法を学びます。結果、自分の常識や固定観念にとらわれず、自分の中で新しい視点で、自分の中で新しい発想ができるようにする思考方法。創造的な思考ができるスタート地点に立てるようになります。
■2日目(収束)
ここでのメインメッセージは、常にWhy(目的や何故それをおこなうのか)を考えることです。人は無意識に、どうやって実現するかのHowを考えがちです。が、実際にどの程度取り組めば良いのかのWhatも整理することなく、取り留めもなく作業を続けます。「日本の商品は品質が高いが高いね。」は典型的なHowからの思考です。モノを作ることそのものをゴールにした結果、その後の顧客に販売するという意識が飛んでいるため精度がめっぽう良くなっているのです。これらをベースに論理思考で大切なメッセージであるゼロベース思考、モレなくダブりなく考える思考、仮説として捉える思考を学びます。
効果
普段の業務に置いて、そもそもできない!無理!という意識が薄れて行きます。取り組む内容に対しても目的を明確に持つようになり、それを達成するための根本的な問題を常に設定するようになります。そして解決策においても、複数の視点で捉えて、ある程度考えると試行錯誤しながら検証してブラッシュアップするような思考と行動のスタート地点に立てるようになります。
クライアント様の声
■発散
「結論に結びつける前の考え方の過程や工程に枠を設けていた。それは環境の中で、枠を外すことができればいいが、その余裕がないからだ。おかれている環境や業務量にもよるが、最終的な過程に行き着くまでのプロセスを見直す。いろんな発想の転換をしたい。」
「今まで考えていたことは固定概念にとらわれて、決めつけて考えていた。柔軟の意味が理解できた。」
「何かすぐメモ、残すことで後でノウハウとして蓄積できるよね。」
「思いつきを言語化する。メモを追加してまとめて考える。」
「逆転の発想。対局を考える。」
「 過去の自分との比較が重要。まわりと比較しない。」
「ルーティンでお決まりのことをやる。たまには一部変えてみて見方を変える。」
「思い込みを外して意見を聴きながら思考する。」
■収束
「兎に角言われたことをやる、上司から言われたことを優先する行動にストップして、立ち止まって目的を考えて仕事をおこなう必要があることを理解した。」
「考えるときに時間を決めずにダラダラ、何を優先するのも無かった。」
「予算の作成がある。予算を出す根拠に過去の数字を使っていた。図にして表現するは良い。」
「ロジカルシンキングは色々と受けた。自分の実務、組織についてどうするかを考える際に役に経つ。いかに分割するかではなく、Whyが大切。MECEの中でもモレが危険。現場ベース。」