キャリアショップの現状
2020年6月23日
早嶋です。
全国に約7,900件あるキャリアショップ。携帯電話やスマフォの普及と共に全国津々浦々に点在していますが、キャリアが直営で経営している店舗はごくわずかで大半は代理店が運営しています。そしてその経営も今後厳しくなることが言われています。
キャリアショップの特徴は都心や中心地は、商社や端末メーカーだった企業の関連会社が運営しており、地方は地元の盟主的な企業で、ガソリンスタンドや他のFC事業を展開している地場企業運営しています。看板こそドコモやソフトバンクやauなどで統一されていますが、ミクロに見れば運営形態はバラバラなのです。
キャリアショップは現在飽和状態で、今回のコロナ禍の影響も後押しされ状況は芳しくありません。この傾向は、スマフォ普及が飽和し始めた頃から予測されていましたが、昨今の総務省の割引規制などの影響も強く出ています。国がメスを入れたおかげでユーザーがキャリアショップから離れているのです。
更に経営を難しい状態にしている原因に慢性的な人手不足があります。コンビニや建設現場では外国籍の方々が活躍していますが、キャリアショップは本質的な改革は見えず働き手が少ない現状です。仕事環境からしてもスタッフからは厳しいのです。
キャリアショップは接客業で、大手キャリアが矢継ぎ早に出す複雑な仕様や料金体系や様々な機種を理解しながら対面での接客が必要です。そのキャッチアップだけでも大変なのに、加えて窓口顧客に真摯に対応しなければならないというストレスがつきまといます。なぜか日本人は、キャリアショップにいくと態度が一変するのです。普段はニコニコ穏やかな人相の客がここぞとばかりに店員にマウントをかけてきます。そのような顧客にも丁寧に相手をするストレスは相当なものだと思います。機種の変更や契約に2時間程度も要する仕事。やはり精神的にも肉体的にもつらそうです。
日本が成長期だった頃は代理店事業はそこそこ成果を出していたと思いますが、今は成熟期。代理店事業は携帯電話の販売や成約時にインセンティブが入り、キャリアはその後の使用によって収益をもたらす事業です。そのため常にキャリアショップでは新規顧客を開拓しなければ生き残れません。当然、今後の事業環境を鑑みたら契約数の総数は減らないにしろ手数料収入は買い替えサイクルが長引くこと、飽和したパイの取り合いが始まっていることでキャリアショップ全体の収益は減少sるうことが推測できます。
キャリアショップの視点から見て最も辛いのは、契約した顧客はキャリアの顧客として管理されるため、契約後の収入が殆ど入らないことです。新規顧客で契約が取れていた頃に、ハウスカードを作りキャリアショップが他に展開している事業と紐付けて顧客を管理している企業は少なく、急に顧客情報を管理しようとしても、なかなかうまくいきません。
更に近年、辛いところはネット通販や格安ショップや中古店舗で購入したスマフォや携帯の相談をキャリアショップに持ち込んだ相談が増えていることです。断れば良いのですが、日本の顧客サービスの精神は若干異常な部分があり、1円も手に入らない対面接客に真摯に対応することから更にスタッフが疲労困憊するという展開になっています。
【動画】マネジメントの基礎
2020年6月22日
ビジネスインプット基礎講座にタイトルを追加しました。
「マネジメントの基礎」では、マネジメントが意識する領域として、マネジメントの役割、リーダーシップの発揮、不確実への対応について理解を深めて頂きます。マネジメントとして新たな一歩を踏み出す要素を取得出来ます。講座は①から⑥までの⑥回シリーズです。各回20分から25分程度の内容です。レポート添削コースの方は、演習問題を先に視聴してから全体を見ることで、演習のイメージが湧くと思います。
①マネジメント
ここではマネジメントの3要素を整理した後、マネジメントが意識する3つの領域を見ていきます。②回目から⑥回目は、この領域を深堀りした内容になります。最後に、マネジメントとリーダシップの概念を整理します。
②マネジメントの役割・方向性の管理
方向性の管理では、全体視点と長期視点の重要性を改めて整理します。そして、企業戦略と事業戦略と機能戦略の概念について理解を深めていただきます。そしていよいよ方向性についてのインプットを行います。ポイントは、常に全体から、常に長期からの目標を最終的に自分が管理する部隊と個々の社員まで細分化して示すことです。
③マネジメントの役割・行動の管理
行動の管理では、成果を出すために行動を管理することが最も重要であることを理解します。その後、行動を管理するために結果目標、通過目標、行動目標の考え方を理解します。目標を達成するための具体的な行動を示すことによって、はじめて具体的な計画が作れるようになります。計画の策定は作ることが目的ではなく、成果を出すことが目的ですから計画を実行しながらチューニングする方法にも説明します。
④マネジメントの役割・能力の管理
能力の管理では、成果を上げるために組織の経営資源の把握をする重要性について理解を深めます。その後、経営資源の中で重要な個々人の能力を管理するポイントを整理します。マネジメントは、組織が成果を上げる際に不足する個々人の能力を示し、その能力を育成する責任を持ちます。個々人の能力をどのように育成していくのかを整理します。
⑤リーダシップの発揮
マネジメントがリーダーシップを発揮しなければならない背景や理由を解説します。リーダシップとは、チームをその気にさせて成果を出させる力です。そのためにはまずはセルフリーダシップが重要で、自ら目標やビジョンを持ち行動しして、その達成に奮闘します。リーダシップの始まりはなんと言っても自分ごとです。マネジメントになったら、もう他人事は卒業しましょう。
⑥不確実への対応
最後は、不確実への対応です。2000年ころのマネジメントは、この分野は不要だったかもしれません。しかし、昨今目標が不明瞭で、明確であっても達成出来ない部分が増えて来ました。その場合、マネジメントは自分毎と捉えてその良くわからない分を言語化します。そして既存と新規と組織的取組の3つに因数分解して、全体のゴールに向けての取組を行います。最後は不確実な対応としてのスピード、意思決定、行動、実験の重要性とマインドセットをお話して全体のまとめとしています。
レポート課題
動画で解説している取組を実際に皆さんで考えて取り組む実践的なテーマを出題しています。レポート添削コースを受講されている方はこちらを確認して演習に挑戦してください。動画の内容を理解して、実際に手を動かして、アタマから汗をかいて取り組むことで、マネジメントの考え方が身につきます。添削は、我々チームで行い、皆様にフィードバックさせて頂きます。
①:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5eec678c-3a08-4545-a5ef-2a82a0106aeb
②:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5eec7692-7928-48a7-9983-2a80a0106aeb
③:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5eec7e25-afc4-43a9-be69-4923a0106aeb
④:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5eec8ce3-10b8-49b5-a38d-43cba0106aeb
⑤:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5eec9624-f938-4019-8f6e-4920a0106aeb
⑥:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5eed2b09-51f0-446d-837d-43c8a0106aeb
⑦:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5eed30c9-e83c-45cb-99b8-43cda0106aeb
スイカとメガバンクのタッグ
2020年6月9日
早嶋です。
メガバンク3社とJR東日本がスイカを軸にデジタル通過と電子マネーの相互利用の検討をはじめています。基本的な枠組みはデジタル通過をJR東のスイカに紐づけて連携できる取り組みです。
みずほはJコインペイ、三菱UFJはMUFGコインなどの発行を行っている、あるいは検討中ですが、電子マネーとして金融系が動く理由は、デビットカード式の決済の仕組みを再度議論することだと思います。(※金融機関の主な役割は過去のブログを参照:https://www.biznavi.co.jp/blog/archives/5216)
日本ではATMが多く、クレジットカードも普及していたためデビットカードの仕組みは普及しませんでしたが、合理的な決済としてはリスクが最も低いです。スイカがどこでもスイスイ使える最大の理由は、スイカにチャージされた金額内では無条件にそのカードの信用が担保されます。
つまり、スイカの中に5,000円相当のチャージがあれば5,000円までは無条件に購入することができます。これがクレジットカードであれば、5,000円相当の商品を買う際に、その人が1ヶ月後に5,000円相当の資金を支払う能力を担保する必要があります。その際に、100人くらい人がいたら、1人くらいは払えない可能性があることを残りの99人で担保するため、真面目に支払える99人が無駄に決済手数料を支払う必要があるのです。実際、そのコストは店舗が3%から5%程度肩代わりしていますが、これがデビット方式であれば、理屈上スイカと同じで担保が不要になります。
それでもスイカを使用する際に、決済の手数料などをまだ1%以上取られていると思います。これらをもっと合理化して、スイカと銀行を紐付けることで、少なくとも決済の手続きは、その人の口座にあるお金と同等は無条件で担保できる仕組みがとれるので、クレジットカード会社がこれまで培ってきたビジネスモデルを駆逐することが理屈上可能だと思います。
更に、スイカと金融がタッグを組むことでこれまで行えなかった送金などの取り組みが自由に行えるようになると発行枚数8,000万枚のスイカは圧倒的に便利になりますよね。更に、スイカのお金の動きを自由に管理してもらう代わりに、その人の資金の使い方をみて、金融機関の融資を有利に受けることができるとなれば、今度は融資の機能をより合理的に取り入れることが可能になります。もちろん、お金の動きを把握されたくない人は、その権利を行使しない代わりに、従来通りリスク料を払って資金調達をするとよいのです。そうすると、きっと50%以上の人は特定の金融機関に対して自分の資金使途を公開すると思います。これによって、一気に融資の手間や手続きが簡便化されるのです。
但し、上記の議論を行う際のプレーヤーの数が多すぎるので、本来の顧客に寄り添ったユーザーフレンドリーでかつコストが安い仕組みにならないような気がしますが、そこは頑張ってほしいと思います。
クボタの戦略
2020年6月8日
早嶋です。
クボタはインド農機大手のエスコーツとタッグを組んで半額程度の農機を生産して新興国市場を開発します。プロジェクト名はEクボタ。食料需要が高まる新興国の機械化の需要に合わせて販売が増加すると考えているのです。新興国は先進国と比較してまだまだプレーヤーが乱立しており市場を取りに行こうと考えているでしょう。
クボタは1890年創業で設立は1930年です。資本金は2019年12月現在で841億円。同時期の売上は1.9兆円です。主な事業は農業機械・エンジンが66%の1.27兆円。水環境インフラが16%の3,100億円。そして建設機械が16%の3,100億円です。
クボタの各事業の順位は農業機械は国内トップで世界では2位(売上ベース)。建設機械は小型建機に強みがあり、ミニショベルなどは世界シェアトップです。そして、水環境インフラ事業の主力でもある鉄管においては国内シェア6割と安定した事業内容です。
それぞれのポートフォリオは、農機エンジンは国内は99年頃よりステイで海外が増加。建設機械も国内はほぼステイで海外が激増。水環境インフラは減少傾向でここ5年程度にそこをついた感じでステイです。利益は農機と建機で稼いでおり、水環境はとんとんより少し良いくらいです。
国内の競合環境は、ヤンマーと井関農機がありますが売上も営業利益でもクボタがダントツです。
一方、国内の市場を見てみると農家戸数もトラクタ出荷台数も田植機出荷台数もコンバイン出荷台数も90年をピークに減少しています。一方で世界の農業機械の市場規模は平均成長率で9%近い成長がみこまれています。
その海外の首位はなんと言っても米国のジョンディアです。売上はクボタのざっと2倍で、EBITADAベースで利益はクボタの2.5倍程度。そのため時価総額がクボタの1.9兆に対して、ジョンディアは5.5兆の金額です。
他にも世界を見ると競合するメーカーは多く、どの企業もM&Aを繰り返して規模を拡大。そして積極的に自動運転の技術を取り入れる活動を行っています。どのメーカーも自国の成長がステイもしくは日本のように減少するなかで、成長を海外や途上国に向けているのです。
今回の日経の記事ではクボタは積極的にインド市場に進出することを狙っています。インド3位の農機メーカーとタッグを組んで簡易な設計と部品の大量購入の強みを持つ同メーカーと組んで廉価版の商品を開発販売するのです。
クボタの競合であるジョンディアも他の競合も大型機種の売上比率が高く、利益率も高いです。しかし市場は成熟国で新興国の市場伸長ほど期待できません。新興国の食料事情は2010年と比較して2050年には58億トンと1.7倍位伸びる予測です。その市場を席巻する新興国にクボタは勝負をかけ始めているのです。
クボタは海外比率は上述の通り7割をしめますが、低価格帯の弾数は殆どありません。作戦としては、新興国での低価格帯のたまを準備して市場の成長と共に農家の所得を期待して高価格帯のブランドにシフトしてもらう体制を考えているのでしょう。
一方、農家のことを考えた場合、農家は農機を買いたいのではなく、農機を使って自社の農業で儲かりたいのです。格安の農機を提供する作戦だけではローカル企業がやはり優位なはず。パートナーと組んだところでの廉価版の提供は私はうまくいかないのではと考えます。それよりも、農業の主活動である肥料や農薬、土地の開拓や管理、水の管理や天候の予測など、日々の農家の人が自然と対話しながら行っている活動そのものをAIなどを活用して提供し、結果的に農家が儲かる仕組みを導入する。そのツールとしての農機という位置づけを新興国でこそ打ち立てればと思います。
基本的に貧困層ほど利益にうるさいのです。高価な投資をしたら、相応のリターンが戻るのであれば農家は迷わず収益性の良い商品を選択します。いわゆるスマートアグリの取り組みをガンガン普及させることが私は戦略の方向性では無いかと思っています。
参照:日本経済新聞 朝刊 2020年5月26日
参照:各種WebサイトとIR
問題解決の実践には、覚悟と思考力と実行力が必要
2020年6月5日
原です。
私は、企業や組織の問題解決コンサルティングや人材育成の研修講師に取り組んでいます。
コンサルティングや研修では、問題解決の型や技術を活用しクライアントや受講生と一緒に対話を通じて考えながら進めていきます。使用する体の機能は、思考(頭)と伝える(口)と聞く(耳)の首から上の身体部分です。
問題解決には、戦略的に考える思考力が重要です。
しかし、どんなに品質の高い問題解決策を立案しても、それだけでは問題は解決しません。
当たり前ですが、問題を解決するには「実行力」も必要です。
それから前提として、問題解決に取り組むチームメンバーが、主体的に問題解決策を考え実行し、失敗しても逃げずに工夫を繰り返しながら解決していく「覚悟」も必要です。
つまり、問題解決の実践で使用する体の機能は、「頭と心と身体」ということになります。
現在、私自身や地域住民がリーダーシップを発揮しながら問題解決を実践中です。参考事例として以下に内容を記載いたします。
●問題解決テーマ:自然災害からの里山復興
●主体者:原秀治(私)、地域住民(専業や兼業農家など)
●背景(現状)
10年前に受け継いだ自己所有の農地を、7年前の水害と3年前の山崩れの2度の自然災害により、地域と共に大部分が壊滅状態に陥りました。
その後、行政支援による災害復旧工事が進みました。しかし、無人重機やドローンなどの最新技術の導入も期待外れの結果となり、農地再生などの現実的な復興には当事者のマンパワーがなければ無理な状況が続きました。復興をあきらめる住民もいました。
私は、ゼロベース(もしくはマイナスベース)からの再開発のスタートを覚悟しました。
●問題
・今後、地域の自然生態系が維持できない
・農地が荒れたまま、農家の消滅
・里山の消滅
⇒自然災害により農地や山林などの自然生態系が荒廃しており、里山で暮らす住民の生活が困難となる。
●原因
・人口減少高齢化による復興への人手不足
・地域住民には、再生できるリーダーが不在
・数回による自然災害によりモチベーションの低下
●課題
・復興への覚悟とリーダーシップの広がりが必要
●解決策
・実行度:私と兄が休日を利用して、計画的に中長期的な復興に取り組むことで、周りの農家の模範となる。
・影響度:地域住民との励まし合いにより、個人から家族、家族からチーム、チームから地域コミュニティへと広げていく。
・コスト:機械はフル活用するが、機械の共同利用、中古購入、自力での修理など、できるだけコストを抑える。
●これまでの実行内容(直近3年間)
・中長期的な再生モデルを構想。
・私と兄が復興の模範を行動で示し見本となる:休日やコロナウィルス感染休業を利用し、計画的に農地の8割を再生済み。
・農地売買による復興仲間の確保。
・農地を脅かす悪意の第三者への対応。
・各農家の親が子に(または知人)へ農業承継することで、農業の継続と復興の和が広がりました。
●今後の取り組み
短期:再生済み農地に種蒔き。残り2割を農地転用などにより再開発。
長期:山林の再生(間伐、植樹)。里山ファンとの地域ビジネス創出。
●以下、私が問題解決の実践に取り組む中で再認識した3つのこと。
①問題から目を逸らさずに問題解決に取り組む「覚悟」
②戦略的な問題解決の考え方
③考えを実現させる実行力(行動と工夫の繰り返し)
※私は、以上の3つを重点にした問題解決型コンサルティングや研修講師に取り組んでいます。
【富士通ファミリー会様 ファシリテーション動画】
2020年6月5日
※本ページは富士通ファミリー会様向けのページです。
「ファシリテーション基礎講座」では、企業の会議体で活用できるファシリテーションの基本的な考え方とイメージを掴んで頂く講座です。講座は①から③までの3回シリーズです。①と②は15分程度の内容で、③は30分程度の内容です。
ファシリテーション基礎講座①
ファシリテーションの概要や基礎的な考え方について整理しています。ファシリテータの役割やファシリテーションのプロセスと参加者の意欲を高めることの重要性が主な内容です。
ファシリテーション基礎講座②
ファシリテーションを実践する際に役立つ3つのステップと必要な4つの能力について説明しています。4つのスキルに対しては別途学習を深めていくポイントが理解出来ます。
ファシリテーション基礎講座③
3回目の講座は、実際にファシリテーションを行った際に多く頂く疑問や質問に対して、考え方や実施の方針を示します。3つのステップに即した質問とホワイトボードの活用の仕方を解説します。
ーー
①:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5ed9af1d-cd08-45df-96c2-149ba0106aeb
②:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5ed9af46-f060-4793-8a71-2714a0106aeb
③:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5ed9af67-7fa4-4fa6-b699-7d98a0106aeb
コロナ後に必要な対話力
2020年6月4日
安藤です。
コロナ後先が見えない不安、そして、これからの職場は、変化するビジネス環境、多様化する従業員、働き方改革など、さまざまな要因が積み重なり複雑化してきています。それは問題を捉えることが難しくなってきていることにも繋がっています。
また、中間管理職がプレイングマネージャーとしての役割を担っている中で、多様な従業員のマネジメントを求められています。組織内でさまざまな問題を解決する上において、“対話力”が必要となってきました。
“対話力”を学ぶ前に、ナラティブ・セラピーについてお話しします。ナラティブ・セラピーは、創始者のマイケル・ホワイトが提唱した重要なスローガンがあります。
「問題の外在化に関連した実践の文脈においては、人も人間関係も問題ではない。むしろ、問題が問題となる。
つまり、問題に対する人の関係が問題なのである」(White&Epston, 1991)
これを要約して「人が問題なのではなく、問題が問題なのである」と言います。
このスローガンから導かれる姿勢は、誰かを名指して非難するようなことはしないということです。それは、単にそう思っているだけでは不十分であり、そのような言葉遣いをしていく必要があるのです。ナラティブ・セラピーとは、相手のことではなく、私たち自身の姿勢、価値観、言葉遣いについてより注意をむけていくものである。ということです。
その姿勢をビジネスに活用した“対話”とは、単なるコミュニケーションではなく、「新しい関係性を構築すること」を意味します。同じものをみていてもそれぞれの捉え方に異なる部分があることを認め、それぞれの捉え方の背景を相互に語り、取り入れあうことで双方が同じ状況でも以前とは異なる角度で物事を捉えられるようになることです。
中間管理職が組織やメンバーに対する捉え方を広げ、膠着した関係性を新たにし、より良い組織を構築していけるようになることと活用できると考えています。
キャリアドッグ,EAP,対話(ナラティブ・セラピー), 心理学を活用したコミュニケーション研修,EQ研修,メンタルヘルス研修ご興味・ご関心がある方は気軽に弊社にご相談くださいませ。
【動画】プレゼンテーションの基礎
2020年6月4日
ビジネスインプット基礎講座にタイトルを追加しました。
「プレゼンテーションの基礎」では、プレゼンテーションの目的である対象相手に納得を促し行動変容して頂けるための考え方と実践的なノウハウを学びイメージを掴んでいただきます。講座は①から⑤までの5回シリーズの約90分のコンテンツです。
①プレプレゼンテーションとは
プレゼンテーションの目的と概論について整理します。これまでのプレゼンテーションの考え方が変わり、よりビジネスで成果が出せるようなマインドが身につきます。
②プレゼンテーションの3つのステップ
③から⑤で詳細は話していきますが、プレゼンテーションを行う上での全体像を理解いただけます。プレゼンテーションの目的は相手が聞きたいことを提供することで、それらを実現するための体系的な整理と考え方が身につきます。
③プレゼンの準備
目的を達成することを前提に、どのような準備を行えばよいのか?プレゼンの目的と対象者の確認に加えて、新たに3つの取り組みを理解しています。実務で有用になるプレゼンテーションの準備シートの紹介も行います。
④プレゼンのコンテンツ
相手に納得していただき、かつ行動変容を行って頂くためのコンテンツ(プレゼンの中身)について理解を深めます。1分でも10分でも30分でも自由に内容を整理して話ができるように、構造化、キーメッセージ、ストーリーライン、サンドイッチの考え方を理解いただきます。コンテンツを視聴することで、これまでのプレゼンテーションの組み立て方が180度かわり成果を出せるようになります。
⑤プレゼンのデリバリ
デリバリでは、伝え方の工夫と見せ方の工夫について考えます。更に目から耳からアタマの理解と双方向のコミュニケーションについてのポイントを示します。デリバリは準備とコンテンツが揃って初めてパワーを発揮しますが、こちらを見るだけでも伝え方と見せ方が変わります。
ーーー
①:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5ed738a4-f0a0-4a68-b260-2714a0106aeb
②:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5ed738e8-4010-4130-ae54-2718a0106aeb
③:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5ed73f0f-554c-41b5-9e88-10c4a0106aeb
④:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5ed754b8-cec0-484c-a8e8-2719a0106aeb
⑤:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5ed763b4-9dd0-4ca5-a3ea-7d98a0106aeb
営業の在り方を考える
2020年6月3日
高橋です
毎月この1か月間にお会いした人、会社の中から、私が選ぶ The most impressive Meeting(最も印象に残る出会い)を皆様にご紹介してまいります。
今月もコロナ自粛ということで書籍を紹介します。三戸政和さん著「営業はいらない」(SBクリエイティブ株式会社)です。テーマは「営業の在り方を考える」です。
とても目を引くタイトルの本です、ドキッとした現役営業マンもおられるかもしれません。著者の三戸さんはベンチャーキャピタリストとして、多くのベンチャー企業を見てこられました。またM&Aも数多く手がけ「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい」という本も出版されています。もし一から起業を考えておられる、もしくはM&Aや事業領域拡大を考えておられるなら、こちらも参考になるかもしれませんのでよかったら読んでみてください。
今回、この本を紹介して賛成(営業は不要)もしくは反論(営業は必要)を論じようというわけではありません。この本から営業を取り巻く最新ビジネスを学び、今後の営業の「在り方」を考えるきっかけになればと思います。ということで、本の概要のみ紹介します。
まず三戸さんは10年後には営業という概念がなくなると言います。理由はAmazonやGoogleに代表されるAIを使ったセールステックの進歩です。
Amazonで買い物をすると、「これを買った人はこんなものも同時に買ってますよ」とか「あなたへのおすすめ」など、購入履歴に合わせて色々勧められます。つい買ってしまったという経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このセールステックが進化すると、購入履歴だけでなくサイトの閲覧履歴、SNSの投稿履歴、位置情報などから生活、趣味、嗜好をAIが分析し最適なモノを勧めてくれるようになります。そこには一切営業マンは介在しません。これが営業はいらなくなる根拠です、営業がテクノロジーに置き換えられるというわけです。この流れはBtoC(個人客相手)のみならずBtoB(法人客相手)でもすでに起こっています。
しかし三戸さんは営業を駆逐しようというわけではありません。今後、営業マンがどう生きるべきかも示唆しています。それは経営者になること、それも自ら戦略を立て自ら決定できる自由な「小商い」を行うことだと言います。営業マンはそもそも経営者に向いている、なぜならコミュニケーション力、問題解決力、行動力が備わっているからだと。ここにきて、私も含め多くの営業マンが喜ぶ内容になってきました!
以上が大変ざっくりで恐縮なのですが、本書の概要です。いかがでしたでしょう?色々なご意見があることと思います。
そこで私の考えを述べます。
私は営業がテクノロジーの進化によってなくなるかどうかは分かりません。ただセールステックにより、まずは「不要な営業マン」と「必要とされる営業マン」に極端に二極化すると考えます。
営業の仕事をただ「モノを売ること」と定義していれば、すでにネットの方が便利で早いと思います。いわゆる御用聞き営業はますます不要になるでしょう。
しかし、営業の仕事を「お客様の問題解決すること」と定義していれば、必要とされるのではないでしょうか。
お客様がどのような問題・課題を抱えているか、ご自身でも気付いていない課題を浮き彫りにし、自社の商品・サービスを通じて解決策を提案する。それが成立するためには「あなただから話すけど」「あなたが言うなら任せる」という人と人の信頼関係が土台にあればこそだと思います。ロマンティック過ぎるでしょうか?
私はコンサルティングや研修を通して、そのような「必要とされる営業マン」の育成や成長に貢献したいと考えています。営業という仕事の本質を理解いただき、現場で活用できるスキルやノウハウを身に付けていただくと、きっとお客様から感謝され営業が楽しくなると信じています。
最後に私事ですが、後半の営業マンが少数精鋭型「小商い」をするべき、という意見にとても同感しました。本書の中に「戦略立案の自由」という言葉がありますが、私は「全て自分で決めて、全て自分の責任」を求めて独立しました。
「自らの果たすべき貢献は何かという問いからスタートするとき、人は自由となる。責任を持つがゆえに、自由となる」 by P・F・ドラッカー
セールスプロセス、営業研修、経営戦略などにご興味ご関心のある経営者・経営幹部・リーダー・士業の方はお気軽に弊社にご相談ください。
マネジメントのマインドセット
2020年5月28日
早嶋です。
新任マネジメントに対して、マインドセットをする目的で以下のようなことを話させて頂いています。近年の状況に加えて、最後の不確定な次代の要素は追加しています。
マネジメントとして考えなければならないこと。
1)マネジメントの世界
マネジメントの基本は、企業が決めた方向性に対して、自分たちの管轄する部隊での役割を果たし、全体の成果を達成していくことです。
常に全体の成果から自分たちの部門の役割があることを理解していかないと部門最適に陥ります。そのため、全社戦略ー事業戦略ー部門の役割などのつながりを常に意識する必要があります。同様に機能部としてのマネジメントの場合も、全社戦略と自部門の機能、上流部門と下流部門の中での自分たちのいち付を常に考える必要があります。
それらを前提に
①時部門の目標を確認する。その目標をチームに理解させる。その歳、常に全社戦略のように全体から自分たちの部門の役割や意義を理解させることを忘れない。次に、その目標をいくつかの目標に細分化する。これは、どの目標を達成するためには、その期間にどの程度の結果を出す必要があるのかをチーム全体に認識させるためです。その上で、その細分化した目標をチームや個人に振り分ける。その目標は、同様の個人が達成する時に、どの程度の成果や結果を出す必要があるかを先にイメージさせ、同様に細分化していく。
目標全体を結果目標とした場合、それらを細分化した通過目標に落とし込み、最優的に、その通過目標を達成するために、どの程度の行動をおこなう必要があるのか?をチーム全体が考えれる状態を作り、それらを計画として管理して、結果ではなく通過目標を達成するための行動に管理を行う。
②上記からわかるように、マネジメントの仕事は自分含めた2人以上のチームになることが多い。従って、自分が自分の力で成果を出す発想から、チームでチームの力を最大限掛け合わせてチームの足し算以上の成果が出るように考え指揮をとることを忘れない。当然、チームの力量が不足する当初は、個人の力でなんとかすることは必要だが、その取り組みを日常にするとプレーヤーになってしまう。マネジメントは人を介して成果を最大限高めることを常に考える。
③ということは、マネジメントは2人以上のチーム。必要に応じて上流工程や下流工程のチームの個々人の能力や経験や得手不得手を把握して、成果をチームで達成するためには、どのようなギャップがチームとしてあるかを常に把握するように務める。そして、このギャップを埋めるための一つの方法に部下やチームの育成を無視してはいけない。マネジメントの時間を10としたら人材育成の時間をはじめから20%程度は確保する必要がある。
以上が基本的なマネジメントがやるべき行動になる。
2)リーダーシップの世界
マネジメントは加えて、組織の視野を広げて、事業部、もしくは企業全体としての大義名分、あるいは事業目標を達成するために、常に日常業務に対しての改善を考え、それらを自分やチームを巻き込んでどんどん良くすることを考える必要がある。マネジメントはどちらかと言えば、上から言われたことを完璧に何とかする(こなす)という発想だが、リーダーシップの発想も必要になる。リーダーシップは、自分やチームからビジョンを定めて、自分からチームを巻き込んで自発的に取り組んで行くことだ。この際のポイントは、常に全社の方向性につながる取り組みであること。
④ということは必然的に、マネジメントはオーナーシップが求められる。これまでと違って、言われた範囲より少し良い位の成績で評価されたからといって、その範囲内で仕事をするようでは失格だ。常に、全ての関わりごとを自分ごとととして捉えて、全社の方向性に向けて、自分だったらどうするのが良いのか?という対案や選択肢をもつようにする。組織に否定をするのではなく、常に更によくするための提言を続け、時にはどの提言を行動に落とし試行錯誤することも必要。
3)不確定な世の中
今、極めて不確定で、先がわからない。が長い歴史を見れば必ず収まる時期が来る。だが、次代は変わる可能性は高く、昨日までとは確実に違う次代がくる。
この場合の心得として、私は今の自分の責務を全うして全力で解決することだと思う。そして、不安に思うことや、ちょっとこれはヤバいかなと感じたことは全て言語化してチームで共有して、そのリスクに対しての対処を常に考えておくことだ。逃げてはいけない。
日本型組織のあえてデメリットを言えばスピードだ。とにかく意思決定も行動も遅い。出来ない理由を並べて取り組まない。だが、今は確実にチャンスであれ、皆わからないから動かないでいる。これは逆にリスクだ。マネジメントは、このスピードに対応するチームを創りブラッシュアップすることを意識して自分が筆頭に変えていかないといけない。
常に情報収集を怠らず、考えるべきことは大至急実施する。母数が少なくても2次データや大本営が発表しているデータは常に1次データで確認することを意識して無意識に行えるレベルになるまで徹底的に繰り返す。そして瞬時に実験して小さく初めてみて、自分の感触やチームの感触を得ながら確かめる。悪ければその修正を行い、チームや組織に共有する。よければ続け、どこかで一気に資源を投入する。悪ければ、出口を決めて置き、サンクコストを鑑みずに一気に引く。
上記のマインドセットは、新任マネジメントだからではなく、今のタイミングだから行うべき事象だ。
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