22年のドルの動き
2021年12月22日
早嶋です。
2021年は、covit-19の影響が全世界、全ての業種業態に広まり子供から大人まで関係なくその影響を受けた2年目の年でした。企業においてはデジタル化が一気に加速し、リモートワークが当たり前になりました。1977年生まれの私にとってもおそらく最もエポックメイキングな年になったと思います。
世の中全体の経済は、去年と比較して回復の兆しに。およそコロナ前の状況に戻りつつあります。一方で、世界のコロナ感染者は2.75億人で死者は536万人、オミクロン株が次のピークを起こしている状況です(21年12月22日現在、our world dataより)。covit-19から丸2年、変異株は感染力こそ高まったものの、弱毒性が確認されており来年には、集団免疫も確立されインフルエンザのような季節性のウィルスになることを望むばかりです。
多くの国々では、今後の経済を回復する目的で市場にキャッシュを回しはじめています。米国ではインフレが叫ばれていますが、その発生メカニズムが従来と異なる点があります。一つはコロナによる影響。2つ目はエネルギー問題、そして米中の関係性が崩れていることです。
まずコロナによる影響ですが、現時点ではコロナの回復が見え始め、長い間我慢を強いられていた人々の需要が旺盛になっているのですが、多くのバリューチェーンがストップしたために商品の供給が不足しています。この理由は、半導体のようにサプライチェーンが分断された影響で回復が遅い部品が様々あり、そのために製造が出来ない状態が続いていること。そして、輸入品においては各国のゲートを効率的に通過することが出来なくて海上や国境の前で待ち行列が出来ていること。この2点です。結果的にデマンドプル、つまり需要量の増大に供給が追いつかないために物価の上昇が起きているのです。
2つ目ですが、エネルギー問題が絡んでいます。各国は一連の異常気象を念頭に2040年から2050年の間に相当ハードな目標設定を行っています。結果的に従来のメインディシュだった化石燃料の生産量を絞り込み、エネルギー価格が高騰、これがまた生産を圧迫する結果になっています。当初、クリスマス需要に対して、商品が追いつかない状況は米国のみの報道でしたが、今は日本含めあらゆる国々でその現象が観察されています。
更にコロナの前から続いている米中の争いが加速しています。米国全トランプ大統領の4年間に中国からのサプライチェーンにメスを入れたために、それまで最適化されていた均衡が崩れ、結果的に部品の調達がかなり不安定な状態になっていました。製造業は部品が一つでも不足するとラインがストップされ再開できません。中国からの電子部品等の調達を否定すると多くの電子製品に影響が出て、結果グローバル企業のサプライチェーンが寸断。その下流であるローカル企業にも多大なる影響が出ているという現状なのです。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は「22年末には利上げに適した状況に」と金利を上げる方向性を示しています。各国も上述の理由からインフレ気味ですから、過去の歴史を見ても米国の金利上昇に応じて世界中の人が資産をドルに突っ込む動きが加速すると思います。すると相対的に弱い国の通過は極端な話、暴落していくでしょう。
現場の組織と評価を見直そう!(店舗事業4)
2021年12月21日
早嶋です。
見かけの仕組みを良くしても、顧客の満足度はあがりません。
先日、ピアノを買いに行きました。電子ピアノです。諸事情から購入したくなり、妻が調べてとある店舗に在庫の確認連絡を。ネットで購入しても良いのですが、既存のピアノの代替で、今のピアノとは別の部屋に置く目的からキータッチを実機で確認したかったのです。
電話口に出たお店の方が、色々な質問をしてくれて、随分と沢山の情報を提供しました。そしてその日の午後にショップに来店することに。で、店舗に行くとその方は、別の仕事で不在。別の店員に状況を説明するものの、その電話の対応は全く店舗で共有されていません。店舗のスタッフは4名程度おり、人手が不足している状況でも有りません。
私の仮説ですが、店舗店員が情報共有していない理由は、個々のポイント稼ぎが背景にあると思います。自分が接客した方からの売上により、自分の成績が左右する。その場合、インセンティブは個人につくので、組織で対応することなく、自分の都合でモノゴトを考えがちです。
20年前のように、店舗来店と接客が大きな因果で売上に直結した次代もあったでしょう。でも現在は、ネット、SNS、来店、イベント、チラシ等、ありとあらゆるコンタクトポイントが存在しており、来店時には顧客が既に情報武装している場合も大いにあります。興味を持って調べている顧客に様々な角度から対応できる店舗スタッフもそうそういません。そう考えると店員が貢献する分量も20年前と大きく異なっています。
もちろん、ITを活用して個人のIDをベースに購買前と中、そして後の追跡をしている店舗は別でしょうが、多くの伝統的な店舗事業はまだまだそこのレベルにいきません。
しかし、多くの店舗事業は一部デジタルマーケティングを導入しており、店舗ではDX対応をしよう!と少なくとも掲げています。その場合、顧客の動線を鑑み、KPIとして店舗スタッフの売上に比重を置くことは無意味です。顧客が店舗に行った際の体験に不具合が生じるからです。むしろ店舗は来店した顧客が気持ちよく買い物体験をすることに集中すべきなのです。そうすると個人のKPIに接客した顧客の売上を設定することは愚の骨頂になるのです。
理想は、電話を受けたAと店舗で偶々接客をしたBが情報を連携して、顧客が望む接客をすることです。この理解がなければDXとかIT機器に投資をしても、顧客体験が高まるどころか低下をまねきます。
今の組織や評価軸は10年以上前の仕組みを脈絡と受け継いで見直しをしてない場合、今の戦略に対して大きなギャップがあることを認識して整備し直すことをおすすめします。
イノベーションUP研修(福岡県・長崎県 市町村職員合同研修)
2021年12月16日
本ページは、福岡県・長崎県市町村職員合同研修向けのページです。
「気づく」「考える」「行動する」をテーマに、福岡、長崎における地域の問題発見と解決に向けて思考力と実際の行動を強化する研修です。2022年2月3日、4日の研修の参加者は以下の動画を見て事前準備に取り組んで下さい。
(ガイダンス)
今回の研修参加者向けのガイダンスです。今回の研修の目的、研修の概要、事前課題について解説しています。
ガイダンス動画は、こちらをクリックください。
(動画視聴)
互いの地域の現状や課題を客観的に捉える目的で、企業の企画担当者やコンサルティング会社のトップコンサルが必須として身につけている論理思考の動画を見て理解を深めて下さい。特に、問題解決思考は、今回の「気づく」「考える」「行動する」の肝となる考えで、当日2日間のワークショップでもその考え方を活用して議論を深めていきます。
論理思考の基本的な概念を解説して、重要な3つの視点、ゼロベース、モレなくダブり無く考える、仮説の考え方を整理しています。講座は①から⑤までの5回シリーズです。各回15分〜25分程度の内容です。
論理思考の活用
論理思考の必要性や仕事を行う際に意識して習得すべき思考法や態度について整理しています。将来の社会や組織について問題を定義して解決するリーダーになるためには、コトの壁に加えて、ヒトの壁と、マインドの壁を突破することが大切です。論理思考を徹底的に鍛えることで、今後は全く他の分野に対しての転用する技術も高まります。
問題解決思考
論理思考はツールにしか過ぎません。将来の社会を変革して組織をリードしていくためには、目的意識を明確に持ち、自分たちやチームで解決すべき問題を正しく定義することが大切です。論理思考を強力な武器として使用するための目的と考え方を示します。
ゼロベースで考える
思考は思いつきから始まります。アタマを使うためには、苦労して、時間をかけて意識することが大切です。そのときに使えるパワフルなツールはずばり、「それは本当か?」という質問です。地域の課題を考える際も、「Why」を問い続けて下さい。
モレなくダブリなく考える
思いつきの思考を意識して、全体を捉える考え方です。モレなくダブりなく考えるための思考方法やMECEの作り方、そして思考やモノゴトの構造化について理解を深めます。散漫する地域課題を図解化して整理する際のヒントになります。
仮説を立てて考える
全て正しいと考えないで、現時点で正しいかもと捉える思考方法です。仮説思考を活用することで、初めての取組や、考えたことも無い概念に対しても、恐れを抱かないで立ち向かうことが可能になります。地域課題に対して仮説を立て行動しながら検証する方法の理解を深めて下さい。
(事前レポート)
当日2日間のワークショップでは、研究テーマでもある『各県の交流人口増加に関する課題』について徹底的に議論を繰り返します。動画を見て、参加者の皆さんなりに考える現時点での課題と対応策について考えを整理してきて下さい。分量としては、各自任せますが、分からない方は、A4用紙で2枚程度にまとめて頂ければ結構です。また、当日、調査したり、議論する際に必要な資料があれば、別途各自の判断で準備下さい。
(講師の紹介)
こちらは今回の講師の紹介ページです。
自己紹介動画はこちら。
講師が関与する会社のWebページは以下を参考下さい。
戦略策定と実行支援はこちら(ビズナビ)
M&Aの実務はこちら(ビザイン)
M&Aアドバイザーの教育機関はこちら(JMAA日本M&Aアドバイザー協会)
スイス高級時計のParris DaCosta Hayashimaはこちら
階層をなくして見よう!
2021年12月15日
早嶋です。
DXもしかり、イノベーションもしかり、新規事業も然り。実現すると同時に今の組織をリセットすることも始めないといけない。
組織は考えて見れば、遅効的に完成されます。組織作りは3年、5年、10年と時間がかかりますので、今の組織の形態で将来に向けて新しいことを取り組むとかならずギャップがでる。これは考えて見ると当然のことなのです。今の組織は過去3年、5年、10年頃前に理想とされていた組織の形態で、確実にそれは時代遅れになっています。
10年以上前は組織におけるコミュニケーションコストやデータを蓄積するコストは高く、コンピューターを活用してコミュニケーションやsh組み作りはまだまだ今のように柔軟ではありませでした。そのため組織の間にマネジメントを噛まして指示と命令と行動のフィードバックと教育に関して担う役割はありました。
しかし徐々に人を介して行う仕事がコンピューターを活用することで、これまで1人で7名程度しか把握できなかった従業員の状況をその数倍から10倍程度は楽に管理ができるようになります。そして仕事のスタイルも従来のように蓄積した知識と経験を活用してじっくり取り組む業務が減り、新たな取組をしながら都度学習してキャッチアップするような業務も増えてきました。
このような業務をこなす中、10年前の組織のように、部長がいて課長がいて係長がいてリーダーがいて担当がいるという複雑多重なヒエラルキーはどう見ても機能しません。部長がアップデートできない人種であれば、課長も係長も現場の担当が抱えるトラブルや方向性に対しての理解は不可能でしょう。それでも多重構造のヒエラルキーを重視するのは部長や課長のエゴであり、実際は自分もそのエゴを理解しているけど、自分の存在価値がなくなれば給与やポジションも無くなってしまうと理解していると思います。
現在のような不確定な仕事をする場合、リーダーと担当者のフラットな関係で十分です。そして、プロジェクトが終われば、そのチームは解散して、必要に応じてまた集まればよいのですから。そう考えると、役割が高いか低いかは関係なく、そのプロジェクトに応じて能力が適切か否かでチームを結成すると良いと思います。すると結果的に社内か社外かの人材は関係なくなります。
ひところ昔と比較して、自由に個々人がつながりここにコミュニケーションを取れるよになってきたので、皆がプロとして働くことで社員とかそうではないとかの枠組み自体が不要になるのです。
【動画】IR西九州様向けページ SS店舗マネジメント 2021年
2021年12月13日
こちらはイデックスリテイル西九州様向けのページです。
6月のワークショプ前までに、以下の動画を視聴して、事前課題に取り組んで下さい。PWは別途事務局より連絡があります。
当日のワークショップは、事前課題を中心に議論&理解を深める取り組みを実施します。
SS店舗管理_1_商圏分析編
1回目の事前動画です。SS店舗運営の基本である商圏分析の基本的な考え方について理解を深めます。
SS店長管理_2_売上実績分析編
2回目の事前動画です。自社の売上について分けて分析する。目標設定をする際のヒントを整理しています。会社から設定された目標や数値がある場合は、そちらの数字に合わせて目標を設定し、事前課題に取り組んで下さい。
SS店長管理_3_プロセス管理編
3回目の事前動画です。自社の売上を細分化したあと、その数字を達成するための結果目標、通過目標、行動目標を設定するためにプロセス管理の考え方を活用します。
SS店舗管理_4_スタッフ管理編
4回目の事前動画です。プロセス管理を行う際は、部下の教育を交えながら立てた計画の検証を進めていきます。教育の仕方と検証の仕方を理解します。
やりたいことをやってみる
2021年12月9日
原です。
誰でも「なりたい自分」になれます。
自分の「やりたいこと」は何でしょうか。
自分の「やりたくないこと」は何でしょうか。
「やりたいことをやりきった」と思える人生にしたい人は、今すぐ一歩を踏み出しましょう。
そのためには、まずは目標となるロールモデルを見つけ、意志決定と行動することが必要です。
ロールモデルは憧れですが、「なりたい自分」という目標を立て追うという行動をすることで憧れが現実になります。
ロールモデルを見つけ追う中で、ロールモデルと「なりたい自分」はイコールではなくなります。完全にロールモデルと同じ人になる必要はなく、「なりたい自分」になるために、成長しなければいけないことは多く発見できます。だから、ロールモデルは一人ではなく、何人いても良いです。ロールモデルを見つけることができると、やりたいこと探しに迷走したり、回り道をしたりすることが少なくなります。
私の姉と兄は、小学校から親のすすめで書道とそろばん教室に通っていました。
一方で私は、子供心に「強い人間(選手)」に憧れがあり、空手道場、サッカーチーム、野球チームに所属するなど姉や兄とは違う方向に進みました。
それから、大都会の暮らしに憧れがあり大阪の大学に行き、アルバイト先で大阪商人に出会い中小企業の経営者に憧れをもち、地元に帰り地域中小企業経営をサポートする経済団体に就職し社会人をスタートしました。そして、仕事以外では海外で活躍する人にも憧れがあり、休日にはアジア国際交流の社会貢献活動に取り組んできました。
社会人生活の中では、第一線で活躍している経営者、経営コンサルタント、専門家、社会活動家、文化人など自分の目標(なりたい自分)となる複数人の貴重なロールモデルに出会いました。
そして、私の場合は、サラリーマンを辞めビジネスパートナーの協力により、福岡で独立して経営コンサルタントや研修講師、狂言師事と「なりたい自分」を実現してきました。
また、地元では古民家や農地を受け継ぎました。その後、想定外な自然災害に遭い農地は壊滅しましたが、ロールモデルを見習い、昨年から原農園を復興させ自然との調和のある持続可能な生活を実現することができました。
私は、来年50歳になります。
歴史ドラマの1シーンでも見られる「人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり(幸若舞:敦盛より)」と言う有名な詞があります。この時代、詞の一つには、人間の人生はせいぜい50年と解釈されています。現代は、人生100年などとも言われ昔に比べて人生は長くはなっていますが、人生は不確実です。
貴重な人生という時間と生命を大切にして、来年も新規の目標の実現に向けてチャレンジしていきます。
これから必要なのは自己概念の再構築
2021年12月9日
安藤です。
人生100年時代、VUCA時代、第四次産業革命など変化のスピードは速く、どう生きていったらいいのか、働いていったらいいのか。不安に思われている方も多いのではないでしょうか。そのような時代に、現在、キャリア形成においてプロティアンキャリア、キャリア・アダプタビリティがキーワードになっています。
プロティアンキャリアとは、環境の変化に応じて自分自身も変化させていく、柔軟なキャリア形成のことをいいます。「プロティアン(Protean)」はギリシア神話に出てくる、思いのままに姿を変えられる神プロテウスが語源となっており、「変幻自在な」「多方面の」と訳されます。組織内でのステップアップに重きを置いた従来のキャリアにかわり、地位や給与ではなく、自己成長や気付きといった心理的成功を目指す。アメリカの心理学者ダグラス・ホールによって提唱されたキャリア理論です。
「キャリア・アダプタビリティ」とは、個人のキャリアにおいて、変化の必要性が生じたときにその変化を受け入れ、適応できる能力のことをいいます。キャリア研究の第一人者であるドナルド・E・スーパーによって提唱され、その後マーク・L・サビカスが発展させた概念です。マーク・L・サビカスは「キャリア構築理論」を唱え、そのなかの重要概念の一つとしてキャリア・アダプタビリティを挙げています。
上記のような「変幻自在に変化の必要性が生じたときに変化を受け入れ、適応できる」ようになっていくためには、何が必要なのでしょうか。この数年、キャリアデザイン研修、セカンドキャリア研修、そしてEAPで多くの方々とお会いする機会があります。不安を抱えていらして組織や政府に対して不平・不満を口にだされる方も多くいらっしゃいます。しかし、不平・不満をそのままに維持していても前に進めません。私たちは、変化する環境の中で不安は、なぜ起きているのかいわば、不安のメカニズムを知り自律型の人材に自らを育てることがこれからの変化に生き抜いていくことが必要かと思います。*EAPとは社員支援プログラムのことです。
自らを「自律型の人材」に育てていくには、まずは、今までの人生経験で形成してきたアイデンティティ(自己概念)、ドミナント・ストーリー(思い込みの物語り)に支配され、硬直化した心理状態を探りながら、「オルタナティブ・ストーリー(代替の物語り)」と呼ばれる、ドミナント・ストーリー(思い込みの物語り)とは別の物語を創生し、発見していくことが必要と考えれます。自分のドミナント・ストーリー(思い込みの物語り)を少し変え、気持ちが楽になり、新しい自分の発見につながる。そのことにより、心理の好転のきっかけを掴むことに繋がり、自分自身の大きなリソース(能力的資源)を活用しうる可能性の発見などができれば、きっとストレスを軽減することにも繋がり、結果として、今後の働き方に良い影響を与えることができるのではないかと思われます。ある意味では、アイデンティティーの再構築が正に必要といえるのではないでしょうか。
今回は、時代の変化に求められるのは、アイデンティティーの再構築ということについてお書きしました。キャリア形成、セカンドキャリアを構築することにも通じると思います。何かお役にたてることがありましたら、気軽に弊社にご相談くださいませ。
ビジネスコミュニケーションにおける意図をつかむ聴き方
2021年12月8日
高橋です。
私がコンサルティングをしている『営業プロセス研修』のエッセンスを、毎回お伝えしています。
今回は「ビジネスコミュニケーションにおける意図をつかむ聴き方」というテーマでお届けします。
コミュニケーション能力を「聴く」と「伝える」に分けて考えてみます。今回は「聴く」編です。
傾聴力とよく言いますが、相手の話しをよく聴くということはどういうことでしょうか?私はよく聴くということを、「相手の話しの意図を正確につかむこと」と説明しています。
そこで相手の話しの意図を正確につかむためには何に気をつけなければならないのか、ポイントが2点あります。
1点目は相手と自分とで前提が揃っていることです。自分にとっての常識が、相手にとっても常識だとは限りません。しかしコミュニケーションにおいては、そのことを無視して自分の前提(思い込み)のフィルターで相手の話しを解釈するので誤解が生じます。
例えば「適当」という言葉がありますが、元々の意味は、ほどよく当てはまっているということです。しかし、それがいつしか、適当にするということが、手を抜いたやり方で処理して構わないという意味に受け取られるようになってしまいました。このように言葉一つをとってもお互いの前提が違えば、食い違った意味にとらえられることもあります。
よってコミュニケーションにおいて、聴き手は(もちろん話し手も)人それぞれ物事の捉え方が違うということを認識し、前提を確認しながらコミュニケーションすることが重要です。
2点目は話し手がその結論に至った「理由」までしっかり聴くということです。理由というのはその話しの背景や話の目的のことです。
例えば、上司が部下に「今月の売上の資料を作っておいて」と依頼したとします。ここで、その資料は社内会議用なのか外部に発信するための資料か、経営幹部に報告するための資料か営業チームのミーティング資料なのか、で書式やどこまで詳細に記入するかは違ってきます。
結果は「資料を作る」ことですが、話し手の目的をしっかり確認しないと、意図をくんだことにはなりません。結論に至った理由まで聴くというのは、そのようなことです。理由にこそ話し手が伝えたい意図(話の目的)が表れます。
前提を確認すること、話の理由(背景や目的)まで聴くことの2点をポイントとしてあげました。ではビジネス上ではどのように聴けばいいのか?
仕事では「具体的に聴く」ことが間違いなく聴き取る方法です。具体的とは、相手の話しを5W3Hで確認しながら聴くことです。What何を(課題)、Why なぜ(動機)、Who 誰に(対象)、When いつ(時期・時間帯)、Where どこで(場所)、How どのように(手段)、How many どのくらい(規模)、How much いくら(価格)、を明確に聴くことができれば、相手の意図をとり間違えることはなくなります。
今回はビジネスコミュニケーションにおける意図をくむ聴き方をご紹介しました。前提を揃える、理由まで聴き取る、そのために5W3Hで具体的に確認をする。もし普段のビジネスコミュニケーションで勘違いや意図の取り違いがあるなら、一度意識して試していただければと思います。お互い間違いや勘違いのないスムーズなコミュニケーションで仕事したいものですね。
次回は、ビジネスコミュニケーションにおける伝える側にフォーカスした正確に伝える技術についてお伝えします。
営業プロセス、顧客満足、人材育成、セールスコーチなどをお考えの経営者・経営幹部・リーダー・士業の方はお気軽に弊社にご相談ください。
【動画】SS店長研修(九州RM会)
2021年12月8日
こちらは九州RM会のSS店長研修用の動画ページです。
【九州RM会 SS店長研修概要】
2021年の九州RM会は2019年から続けている内容をベースに事前動画の視聴とオンライン(もしくは対面)議論で事前課題の内容を深堀りし、他店長の取り組みを共有、自店舗の取組に反映する会を繰り返し実施します。今回もSS店長の4大テーマに関して学びを深めます。インプットに対しては動画を活用することで知識レベルのばらつきを事前になくしていきます。それから事前課題を各店長が実施することで、当日のワークショップの理解を深めSSでの取組につなげていきます。
4大テーマ:
1)商圏分析
2)売上実績分析
3)業務プロセス分析
4)スタッフマネジメント(教育・育成)
【2022年2月8日 事前課題4)スタッフ管理(教育・育成)】
テーマ:スタッフ管理
【2021年7月13日 事前課題 1)商圏分析
テーマ:商圏分析
【2021年9月9日 事前課題 2)売上実績分析】
テーマ:売上実績分析
【2021年11月9日 事前課題 3)業務プロセス分析】
テーマ:業務プロセス分析
テクノロジーの教養
2021年12月7日
◇注目する3つのテクノロジー
「IoT」はひと昔前のコンセプトと思われがちですが、関連するテクノロジーは着々と実用化に向けて発展しています。その中で、注目しているテクノロジーが3つあります。「無線給電」、「ハーベスティング回路」、「MRAM(磁気記憶式メモリー)」です。
こうした技術はあらゆるモノがネットワークにつながっていく「IoT」をさらに進めていきます。そして、ビジネスの構造や我々の日常生活を大きく変える可能性を持っています。つまりはDX(デジタルトランスフォーメーション)の必要性は、これからも増していくということです。
◇無線給電
無線給電は、送信された電波を、受信する機器で電力に変換する技術です。2021年度の電波法の改正で、実用化が可能になります。
この技術で、小さなセンサーなどのデジタルデバイスは、有線による電源供給の必要がなくなります。電線を届けるのが難しい場所にセンサーを設置したり、大量のセンサーを有線による充電なしで使用できるようになります。
現時点では、使える周波数帯が限られており、給電できる距離も10メートくらいで、電力も1ワット程度です。今後、技術開発が進み、電力化の効率が向上し、より高い周波数帯が使えるようになれば、さらにいろいろな使い方が可能になります。電気自動車など大量の電力を必要とする機器にも使えると思います。駐車場に停めておけば勝手に充電してくれるようになると思います。
◇ハーベスティング回路
ハーベスティング回路は、我々の日常生活で発生している様々なエネルギー(熱、振動、光、電波)を採取し、電力に変える技術です。
そうした回路のなかで、日常生活でよく使われる2.4GHzの電波を採取して、情報を発信し続けるセンサータグ(電子札)の技術開発が進んでいます。2.4GHzの帯域は都市部であれば、ほぼ電波が届いています。そういう電波を拾い、電力に変えてセンサーを動作させます。このセンサーの価格も現在普及しているRDIDタグなみになりそうです。
このセンサーは切手程度の大きさで、温度や湿度、距離などのデータを発信します。このセンサーが普及すれば、リアルタイムで、人や商品の状況を確認できるようになります。温度管理が厳しい商品が適切に管理されているか確認することも簡単になります。スポーツ選手のユニフォームに組み込めば、様々な競技の理想的なフォームが解析できるようになると思います。
◇MRAM(磁気記録式メモリー)
MRAMは以前のブログでも紹介しました。電子の磁石の性質(スピン)を利用し、データを記録する技術です。
磁気記録式メモリー(MRAM)はイノベーションの中心になるか
MRAMを使用することで半導体の消費電力を大幅に減らすことができます。我々が身につけるウエアラブル端末や、自動運転などのエッジ端末などで使われそうです。
◇テクノロジーの教養
この3つのテクノロジーの組み合わせだけでも、様々な用途が考えられます。それに加えて、「クラウド」、「AI」、「5G」、「ブロックチェーン」など主要なテクノロジーとも関わっていきます。こうしたテクノロジーの教養はビジネスの世界で益々必要になっていきます。
現在、日本中でDX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉が流行っていますが、その背景にあるテクノロジーの原理を理解している人は少ないと思います。あちらこちらでDXという言葉を聞きますが、文字通りどのようなデジタル技術をベースに、自社のビジネスモデルをどのように変換(トランスフォーメーション)する必要があるのか議論できるだけの基礎的な知識を持っていない場合が多いと思います。
これから既存の主要なテクノロジーに、上述したような新たなテクノロジーが加わることでさらに大きな構造の変換が生まれます。あらゆるビジネスが、こうしたテクノロジーの上に成り立つようになっていきます。これからのビジネスパーソンにとって、テクノロジーの教養は専門分野に関係なく必要になります。新しいテクノロジーがビジネスにどう結びついていくのか、どのようにビジネスを変えていかないといけないのか、関連づける能力が必要です。
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